『ルイージに歴史あり』その28

11月17日

第二部(ルイージ 起死回生、そして決意)

第一章:『対決!! ルイージ対伯爵一味』

<6>『頭をもたげる叛逆の戦士』

(3)

(俺はお前だからだ!!)
一瞬、間をおいてから例の声は吐き出すように言った。

(・・・・・・はっ!? お前が僕? 言うに事欠いて何を馬鹿な事を、
な、何でお前が僕なのだ!? 何の根拠もないでたらめを言うな!!)
謎の声の言葉に一瞬、呆然としたルイージだが、例の声にむかって吠えた。

(・・・でたらめではない、俺はお前だ!! 
なぜなら俺はお前しか知らない事を知っている!! 例えば!!)
例の声に力がはいる

(お前は自分の帽子は、いつも手洗いに限るというこだわりがある!)
(・・・!?)
ルイージは言葉につまる。

(そして、)
矢継ぎ早に例の声は述べる。
(お前は3年前、エクレア姫を救出に成功したが、
そのエクレア姫に婚約者がいることを知り、とてもがっかりした!!)

(・・・・!!? ど、ど、どどど、どうして、それを!?)
ルイージは心の底から動転した。

例の声の言うとおりだった
3年前、ルイージは単身エクレア姫を救出した

そして、その勢いで(あわよくば)兄マリオとピーチ姫の様な関係を
エクレア姫相手に築きたいという想いがあったからなのかもしれない。

しかし、救出したエクレア姫に婚約者がいることを知り、とてもがっかりしたのである。

仲良くしたい女性に実は婚約者がいた。
男にとって、実りのない独り相撲とらされた様な、
ある意味自分で自分がカッコ悪く思えるこの状況は、

とりわけプライドが高いわけでもないルイージでも、表にだしたくなかったので、
心の中でしまっていたのであり、誰にも口外していないのである。

つまりルイージ当人しか知らない内容を例の声はまんまと言い当てたのである。

(で、でで、でで、でも、お、お前が僕しか知らない事を知っていても、
お前が僕だということにならないよ そ、そうだとも!! お前が僕ならデイジー姫を
ぶちのめすなんて思うわけがないじゃないか!!)
例の声の言葉にかなりぐらついたルイージだったが、
何とかこらえ、反撃の言葉をだした。

(思うわけがない!? いいや、違うね。俺はお前だからわかるのさ!
お前の本心はそう思っているのだ。)
例の声はルイージの反撃の声をものともせず続ける

(ほ、本心だと!?)
(そうさ、自分の過去を振りかえってみろ お前は約25年の間、自分の身を粉にして
幾多の冒険を乗り越えてきた。 だが、アイツと違い、周囲の馬鹿共は、お前を
アイツの足をひっぱる無能な人間の様に評しやがった!!)

(そんな状況の中、この女、デイジー姫だけは、お前の状況をいたわってくれる、
いや、いたわるべき立場のはずなのに!!)
例の声に力がはいる。

(この女も周囲の馬鹿共同様、お前を罵倒しやがった!!)
例の声は吠えた
(ば、ば、ば、罵倒じゃないよ、あ、あ、あ、あれは、彼女は
僕の為を思って言った言葉だよ 僕とデイジー姫は、
そんな心の底から罵倒する様な間柄じゃないよ。)
ルイージはまだなんとか反撃する。

(僕の為を思ってぇ~? なんだ、そりゃ? 
『叱咤激励も貴方の為を思ってこそ』とかいう、
くそくだらねぇ、お為ごかしのセリフか? ああっ? 
それじゃあ、聞くが、相手の事を思って言う言葉なら何を言ってもいいのか?)

(・・・・・!?)
ルイージは言葉再び言葉につまる

(相手の事を思うのなら、『貴方がマリオであったなら、自分がじみーズの一員だと
いわれなくてもすむのに』といってもいいのか!? 
お前は、あの言葉は自分の為を思っていってくれた言葉と無理やり
理解したふりをしていやがるが、この女はテメェがお前とコンビだと思われるのが
嫌だから、あんな事を言ったのだ、結局この女はお前の為じゃない、
テメェ自身の為にしかいってねぇんだよ!! )
例の声が憎悪のエネルギーが一気に噴出させた様にルイージには感じられた。
そのエネルギーにルイージは気圧される。

(そして、この女の『貴方がマリオであったなら、』というセリフで、
俺は、この女の正体を見破ったのさ!!)

「こ、この女の正体を見破ったぁ!?」
ルイージは相手の思いがけない言葉に、驚いてしまったのだろう。
思わず、相手のセリフをそのまま口にだした。


「な、ななな、なんですって!?」
秘書風の女の、とても驚く声が聞こえたが、
ルイージには半ば上の空で会った。

(所詮この女は、お前の事を好きだとは思っていない!!
この女は愛しているのは、やっぱりアイツなのだ!!!
お前とコンビを組んだのだって、ファミリー内での
地位を固める為とアイツに取り入る為だ!!
この女は、お前の事をアイツの鬱陶しいイミテーション程度にしかみていないのだ!!)

(マリオのイミテーション程度にしかみていない・・・ 
イミテーション程度にしかみていない・・・ イミテーション程度にしかみていない・・・)
例の声の言葉がルイージの頭の中でリフレインした。

(なぜ、コイツの言葉が否定できない・・・ なぜコイツの言葉に反論できない・・・)
例の声の言葉と同時に、例の声の言葉に反論できない事もリフレインしていた。

「まさか、こんな冴えないヒゲの癖に・・・ かくなる上は強行策をとりなさい」
秘書風の女が誰かに命令するようなセリフをいったが、
このセリフもリフレインしているルイージには半ば上の空であった。

(なっ!? あれっ!? 馬鹿な!? 抜け出した!?)
突如、例の声が素っ頓狂な声をだした!!

いきなりの素っ頓狂な声にルイージは完全に我に返り、正面をみた。

何といつの間にか、デイジー姫が例の声が支配しているルイージの右手から
脱出し、ルイージと対峙するように立っていた!!

しかも、いつの間にかデイジー姫を閉じ込めていた檻の扉もきえていた!!

「な、何だ!? 何がどうなっているの!?」
ルイージには未だ状況がのみこんでいないまま、デイジー姫をみた。

デイジー姫の様子があきらかに変化していた。
別にみためが変わったというわけではない、

今、自分の目の前にいるデイジー姫から発せられる雰囲気があきらかに、
自分が知るよくデイジー姫の雰囲気ではなかったのだ。

『まさか、こんな冴えないヒゲに・・・ かくなる上は強行策をとりなさい』

先ほどの秘書風の女のセリフがルイージの頭の中で鮮明にうかぶ。

(おい!? 今の命令は・・・!?)
(ま、ま、まさか!?)
例の声とルイージにある一つの考えが浮かんだ。

「せっかく、これ以上ダメージをおわずに
催眠術にかかる様にしてあげようとしたのに、ザンネン!!」
ルイージの目の前にいるデイジー姫が言った。

ルイージのよく知る普段のデイジー姫とは、似ても似つかぬ、
というより全く別人の口調であり別人の声だった。

突然、デイジー姫が、地上から数mの空中に浮遊した。


画像


「まね~ら・ちぇ~~んじっ!!」

一体どういう仕組みなのだろうか。
かけ声ともにデイジー姫の姿は、緑の髪と顔、
妙な着物みたいな服装をつけた少女の姿に変形した。

(に、に、ニセモノ!? そして、コイツが正体!?)
ルイージと例の声は瞬時に理解し、驚愕した。

これまた、一体どういう仕組みなのだろうか。
緑の髪と顔の少女の周囲に8個の結晶の様なものがあらわれ、
猛烈な勢いで回転しはじめた。

「かくごしな~!!!」
緑の髪と顔の少女の周囲を回転している赤い結晶の様なものの一つが、
ルイージめがけ、ピストルの弾丸のごとくとんできた!!

ルイージは力をふりしぼって、その赤い結晶の様なものをよけようとしたが、
体中にダメージをおっているルイージには、よけることはできなかった。

強烈な打撃の様な音とともに、
ルイージの左の肋骨あたりに赤い結晶の様なものが、深くめりこんだ。

ルイージは、よろめきながら数歩さがった。

(・・・そ、そうか、 ・・・そういう事か・・・)
ルイージは、よろめきながら、さらに数歩さがった。

(あ、あいつ等・・・単に僕がアイツにつられて言った『見破った』という言葉で
自分達の偽の人質作戦が見破られたと誤解したのか・・・)
ルイージは仰向けに倒れた。

「がはっ!!・・・  ぐはっ!!・・・」
まさに痛恨の一撃だった。
ルイージは立ち上がることができなかった。

「・・・ドドンタス、マネーラ、そして、この私がいながら、
たった一人の冴えないヒゲにここまで、てこずるとは・・・」
秘書風の女がルイージにちかづき、催眠術をしかけた。

「アババババババー!!!」
先ほどのクリボーの時と同じ様に、ルイージの体を
強烈な催眠エネルギーの輪が取り囲んだ。


第一章:『対決!! ルイージ対伯爵一味』 完

―第二章:『ミスターLの叫び』へ続く―

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