『ルイージに歴史あり』その33

5月17日

第二部(ルイージ 起死回生、そして決意)

第二章:『ミスターLの叫び』


(5)〔鋼鉄の兄弟 参上〕

「苦渋しかないのさ・・・ 僕の歴史は・・・ 
その事に対し、僕が好きな女性やファミリーに癒してくれ、助けてくれと
言ってはだめか・・・ 僕の苦渋は甘ったれているだの、努力してないだの一言で
片付けられるのか・・・ そうさ・・・
その事に周囲に対して癒してくれ、助けてくれと言っても、無駄だと
悟った僕には、己の中でこれらの自分の叫びを封じ、
ファミリーの一部として、唯々諾々と動くだけしかなかったのだ・・・」
ルイージは自分の肉体にうかぶ言葉をみつめた。

「その通りだ、ならば、お前にその事を押し付けたあの男に復讐すべきだろう!!」
ミスターLは吠えた!

「復讐・・・」
ルイージとミスターLの視線が合った。

「そうだ、あの男に復讐し、いずれは混沌のラブパワーで、
お前に何の理解を示さなかった人間達と世界を破壊しろ!!」

「復讐・・・ 破壊・・・ でも、やっぱり・・・ それでも、僕は
マリオブラザーズであり・・・ マリオファミリーでもある・・・」
ルイージの額に汗がうかぶ。

「お前はまだそんな事をいっているのか!!」
ミスターLは、より一層涙を流した。

「いいのか!! あの男がヒーロー気取りの歪んだ栄光を追い続ける限り、
お前が苦しむ事になるのを!!」

「いいのかぁー!! あの男が歪んだ正義に酔いつぶれている限り、
お前の苦しみと悲しみが続くぞぉぉー!!」
ミスターLは世界中に響けとでも、
言わんばかりの大きな声をだした!!

「ま、マリオ兄さんが歪んだ正義に酔いつぶれている限り、
僕の苦しみと悲しみが続く・・・」

「マリオ兄さんを倒さない限り、僕の苦しみと悲しみが続く・・・」
まるで、そうだと言わんばかりに、
ルイージの体に浮かぶ何千の自分の言葉がより一層強くうかびあがる。

「でも、僕はマリオブラザーズ、マリオファミリーの一員・・・
そ、そ、尊敬している人間を倒すことはできない・・・」
ルイージは額に大量の汗がうかべながら、苦しむようにつぶやく。

「しかし、復讐したいという心が、偽りなく、はっきりと僕の中に存在する・・・」
ルイージは苦しそうにミスターLをみる。

「でも、僕は尊敬している人間を倒すことはできない・・・」
ルイージは歯を食いしばる様につぶやく。

(復讐、破壊、復讐、破壊、復讐、破壊、復讐、破壊、復讐、破壊ぃぃ・・・)
(尊敬している人間をた、たた、倒すことはできないぃぃ・・・)
ルイージは己の中にある、ある意味相反する二つの心に、
全身を震わせながら大量の汗をかいている。

ルイージの葛藤が続くこと、数分か、それとも一瞬か・・・
突然、はるか上から誰かが歩く音が聞こえた・・・

「マリオの野郎が、近づいてきやがる!?」
ミスターLは目を上に向けた。

ミスターLにつられて、ルイージも顔を上に向けた。

ルイージとミスターLが目線をむけた空間に、
まるでスクリーンに映し出された映像の様に、
マリオが倒れているルイージに近づく映像がみえた。

倒れているルイージの目線からの映像なのだろう
下からみあげるような目線でみたマリオの歩く映像がみえた。

マリオが立ち止まった。
映像からして、マリオは倒れているルイージの足元に
立ち止まっているのだろう。

そして、マリオの目線が、
まるでカメラ目線の様な目線になっている事を考えると、
マリオはルイージの足元に立ち止まり、倒れているルイージの顔を
みているのだろうとルイージは思った。

倒れているルイージをみている
何かを押し黙っている様なマリオの表情が、突然苦味と怒りで歪んだ。


画像


「だ、誰が傲慢で鈍感だぁ!! ぼ、僕はヒーローだ!!
皆に愛され、尊敬され、身近に感じてもらえるヒーローなんだぞ!!
そんな僕を、あらぬデマで、めちゃくちゃ侮辱しやがって!!」
まるで、ずっと溜めていた怒りを一気にはきだす様にマリオはいった。

「いつも無敵の英雄でいる僕の気持ちなんか、
お前みたいなネガティブまるだし野郎なんぞに理解なんてできないし、
この僕が、お前みたいにいい年こいた全身タイツ野郎なんぞに
倒されるわけがないだろうがぁ!! ああっ!?」
マリオは倒れているルイージにむかって指をさしながら、一気にいった。

「ハハハッ!! ざまぁみろー!! 
これでもくらえー!! ハハハハハッー!!」
苦痛と怒りの表情から、歪んだ笑みをうかんだ表情に変化したマリオは
倒れているルイージにむかって自分で自分の尻をペンペンした。



『ざまぁみろ!!』
自分で自分の尻を叩くポーズをしているマリオの表情は、その事を
言葉の数百倍の雄弁さで語っている。

「・・・・・・・・・・・・」
ルイージは先ほどまでの葛藤が吹っ飛んでしまって、呆然としていた。

普段のマリオ、いやマリオブラザーズとしてゲーム界の表舞台に立ってから
約20数年、今までルイージがみたことのないマリオの表情であり言動だった。

「・・・・・・お、おのれ・・・・」
マリオの度の過ぎた笑い声が聞こえる中、
弱々しいが、しっかりとした怒りのオーラが立ち上るのをルイージは感じた。

もちろんというべきか、そのオーラをだしているのはミスターLだった。

「・・・・お、お、お、おのれ・・・・!! おのれー!! マリオぉぉぉー!!!
20数年、馬鹿だの、無能だの、20代なのに、緑のオッサンだの言われ、
テメェの為に頑張ってきたのに、そのあげくの果てが、
そんな子供じみた嘲りか!? 
俺は、俺自身の力のみではテメェを倒す事はできないし、
このまま、何もしなくても遠からず消え去るだろう、 だがっ!!」
ミスターLの怒りのオーラが、最後の力を搾り出すかの様に、
ふくれあがり、ミスターLの体中の亀裂がより一層広がる。


「このまま、くたばれない!! 俺の残されたエネルギー、憎悪を
我が鋼鉄の兄弟に託し、テメェを倒してやるぅううう!!」
ミスターLのオーラがまるで火柱の様に立ち上り、
ミスターLのメカっぽい帽子の割れ目から、
緑色のエネルギーの固まりみたいなものが噴出した。

「なっ!?」
ルイージは驚いた。

その噴出した緑色のエネルギーは、
いつの間にか、ルイージの姿形をしていたからだ。

「マリオブラザーズのルイージよ!! 我が最後の戦いをよくみておけ!!」
ルイージの姿形をした緑色のエネルギーは、ルイージに向かって言った。

その声はミスターLの声だった。

(こ、これが、ミスターLの本体なのか!?)

「我が鋼鉄の兄弟よ!! 共にあの男を倒すぞ!!」
ミスターLは、マリオが映っている映像の中に、飛び込んだ。

マリオとルイージのいる異次元世界、
倒れているルイージにむかって、『ざまぁみろ』的な意味合いの言葉を
だしながら、ヒーローにしては幼稚な嘲りのポーズをしているマリオだが、
突然そのポーズを止めた。

「な、なんだ!?」
マリオは倒れているルイージの帽子のバッチあたりをみた。

倒れているルイージの帽子のバッチあたりが、緑色に鈍く光っているからだ。

「ぬおっ!? こ、これは!?」
マリオは驚愕した。

緑色から光っているルイージの帽子のバッチから、
あのミスターLの本体が勢いよく飛び出してきたのだ。

勢いよく飛び出してきたミスターLは一瞬マリオを睨みつけると、

「カムヒアー!! メタルブラザー!!」
ミスターLは吠えた

次の瞬間、マリオの背後から
飛行機の離陸音みたいなものが聞こえはじめた。

飛行機の離陸音みたいな音は、何かが飛行する音へと変わり、
徐々に大きくなっていく

「いくぞー!! 鋼鉄の兄弟よ!!」
ミスターLは音のする方向へ飛んだ。


マリオはミスターLが飛んだ方向へ体の向きをかえた。
その方角から、何やら物体が飛んでくるのがみえた。

その物体はマリオとの距離をどんどん縮めていき、
マリオとの距離、数mほどのところで着陸した。

マリオの前に姿を現したその物体は、
マリオの2倍ほどの高さをもつ一つの巨大なロボットだった。

「こ、これは・・・!?」
空間に映る映像から
その巨大ロボットの姿をみたルイージは驚愕した。

多少のデザインの違いはあるにせよ、
その巨大ロボットは、ルイージが最初にみた、
ミスターLの姿だった。

「エルガンダーZ!!!」
鋼鉄の兄弟エルガンダーZと一体化したミスターLの声が空間に響いた。

-(6)〔マリオVSエルガンダーZ〕前編へ続く-

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