『ルイージに歴史あり』その36

12月8日

第二部(ルイージ 起死回生、そして決意)


第二章:『ミスターLの叫び』

(8)〔おかしな救世主参上!?〕

「ヒャハハハハハハハー! 苦しめ! 苦しめ! 苦しめ! マリオ!
この俺が味わった20数年分の苦しみを味わいやがれー!」
自分の口の中でマリオをぶつける音をききながら、
まるで楽しくて仕方ないといった感じでエルガンダーZは笑い続けた。

ロボットなので、表情などないはずなのに、エルガンダーZは
まるで、自分の大好きな音楽に聞き入り、とても嬉しい気分になっている。

そんなオーラというか波動みたいなものがエルガンダーZからでている様に、
ルイージには感じられた。

そして、そんなエルガンダーZからでている
オーラというか波動みたいなものに、
ルイージは、あまり嫌悪感や憎しみはわかなかった。

むしろ、そんなエルガンダーZに同意みたいな気持ちがおこりつつあった。

エルガンダーZがマリオを口の中に吸い込み、己の扇風機で、
マリオを鋼鉄の自分の口の中のいたるところにぶつけて、
数分が経過している。

当初は聞こえていたマリオのうめき声は、全くしない
ただ、己の扇風機の音とマリオの体がぶつかる音がきこえるだけだった。

「よーし どうやら仕上がったみたいだな」
エルガンダーZは扇風機の音が止めて、己の口をあけた。

その開いた口から何らかの物体が飛び出し、
膨らませた己の体を元の大きさにもどしつつ、
エルガンダーZはその物体をつかんだ。

その物体は、無論マリオだった。

ルイージは思わず言葉をうしなうぐらい驚愕していた。

エルガンダーZの口の中からでてきた。
マリオは正にボロボロになった雑巾の様な姿だった。

でも、マリオとて、20数年間、幾多の冒険と戦いをくぐり抜けてきた男である。
これまでの冒険と戦いにて、傷つき倒れることはあった。
だが、それでもマリオの闘志だけは折れることはなかった。

しかし、現在のボロボロになったマリオの顔は、
まだ、かろうじて意識は若干残っているもようだが、
その闘志すらも無残に折れて砕かれている顔つき、

正確に言えば、マリオの顔は、
心身ともに完膚なきまでに
ぶちのめされた敗北者の顔になっていたのである。

画像


そのことで、ルイージは言葉をうしなうぐらい驚いていたのである。

(マ、マリオ兄さんが、完璧に敗北した・・・)
ルイージはぶちのめされたマリオの顔をみた・・・

(クッパ、カメック、ワリオ・・・ マリオ兄さんが戦ってきた幾多の強敵達・・・
彼らですら砕く事ができなかったマリオ兄さんの闘志を・・・
このエルガンダーZ、いやミスターLは粉砕した・・・)
マリオの顔を見るルイージの頭の中にそんな思いがうかぶ。

「フフフフッ・・・ハハハハハッ・・・・ヒャハハハハハハハハハハハー!!!」
己がぶちのめしたマリオの姿をみるエルガンダーZの笑い声が
空間全体に反響するのでは思えるぐらい響いた。

「ヒャハハハハハッ!! お、お、俺は、つ、ついに
あのマリオに完全勝利したー!!! 20数年、この俺の存在を
嘲り否定してきやがったこの元凶を俺は倒したのだぁぁぁぁー!!!」
エルガンダーZは大声で高らかに勝利宣言をした。

『やったぞー!! 長年自分を苦しめたアイツが、ついにいなくなる!!』
『そうだ、ミスターLが、いや僕自身がついにマリオという元凶を駆逐したのだ!!』
その勝利宣言にまるで呼応するかの様に、
マリオの完全敗北を祝う幾千の声がルイージの中に響いた。



その勝利宣言や声をルイージは聞いた。
憎しみや悲しみや苦しみ等がわかない


いや正確に言うならば、一つの感情などでは言い表せない、
色んな感情がルイージの心の中に溜まっていくのみだった。

己が倒したマリオみつめながら、
数分程、哄笑するエルガンダーZだったが、
その哄笑を突然止めた。

「そうだ、いいことを思いついたぜ・・・」
エルガンダーZから邪悪なオーラがふきあがる。

「コイツが俺の誇りや存在を、ふみにじった様に、止めとして、
俺がコイツをフルパワーで地面に叩きつけて、俺の全体重と全エネルギーで
コイツを踏んづけてやるぜ!!!」
エルガンダーZはマリオの体を自分の方向にむけさせた

ルイージはその言葉にギョッとする。

そのエルガンダーZの邪悪なオーラと言葉に
闘志を砕かれ、かろうじて感じ取る意識が残っているマリオでも、
完全に怯え震え上がらせる効果は十二分にあるのだろう。

「・・・か、か、か、勘弁し、してくれ・・・」
マリオは、かろうじて、か細い命乞いの言葉を出した。

「あ~、何だってきこえねぇなぁ~!!」
エルガンダーZは、マリオの言葉は聞き取れているはずなのに、
聞こえないふりをしつつ、自分の体を上昇させた。

「・・・お、お、お、お願いです・・・ か、か、か、勘弁してください・・・」
そんなエルガンダーZの状態など、マリオにわかるはずもなく、
どうやら相手に自分の声が届かないと思ったのだろう
ボロボロ状態の体で何とか出せる最大限の声で再度命乞いの言葉を言った。

「ヒャハハハハハッー!!! マリオさんよぉ~
20数年、ヒーローと国王と玩具会社の社長を兼任、
そして、長者番付にも名を連ねてらっしゃる
ご身分の方にしては、
全く謝罪の誠意が足りないのでは、ないのですかぁ~!!」
エルガンダーZは、積年の恨みをもつ相手が命乞いする姿をいたぶるのが、
嬉しくてたまらない様子だった。

エルガンダーZは自分の体の上昇を止めなかった。

「お、お、お、お、お、お願いです ど、ど、どうか勘弁してくださいませ
エ、エルガンダーZ様、わ、私めが、わ、わ、わ、わるうございました!!」
闘志の砕かれたマリオに、もはやなりふりなどかまっていられなかった。

マリオは涙を流し、残された全力をふりしぼって命乞いした。

だが、その命乞いはエルガンダーZの邪悪と憎悪のオーラに
油を注ぐ効果しかなかった。

「だぁ、め、だぁ、なぁぁ~!! マリオォォォ! 
お前は、歪んだ正義に飲んだくれ、酔いつぶれ、
この俺の存在を否定し続けてきた、よってお前にこれから止めをさすぅ!!」
エルガンダーZはマリオをふりあげた。

「ヒィィィー!!」
マリオはか細い叫び声をあげた。

「ま、まてぇぇー!!!」
己の体の中に湧き上がる反響に苦しみつつルイージも叫ぶ。

「ぬがぁぁ!?」
つぎの瞬間、エルガンダーZの叫び声が聞こえた。

エルガンダーZの背後に何らかのエネルギー弾が炸裂したのだった。

その衝撃に思わず、エルガンダーZはマリオを放してしまった。

マリオの体が地面へ落下する。

エルガンダーZの背後から
何やら、物体がエルガンダーZを飛び越える様に飛び出した。

そして、その物体は、急激なスピードで、
落下するマリオの下に潜り込む様に移動し、
マリオの体を受け止めたのである。

(な、何だ!? ロ、ロ、ロボットなのか!?)
ルイージはマリオを受け止めた物体をみた。

それは、ロボットといわれれば、
ロボットのカテゴリーにはいる姿なのかもしれなかった。

ただ、ロボットとはいっても、それは
エルガンダーZの様なタイプの姿ではなかった。

簡単に言えば、そのロボットは卵の形をした宇宙船の様なボディのパーツに、
飛行機の様な尾翼、ミサイルと姿勢を制御するみたいなブースター、
そして、ロボットのアームをつけた様な姿だった。

そのロボットのヘッドの部分はコクピットになっており、
そこに乗っているパイロットが、
落下するマリオの体を受け止めたのである

画像



(あ、あれ!? あのパイロットは!?)
ルイージは思わずにはいられなかった。

そのパイロットは、ヘルメットと作業着みたいな服を着ており、
パイロットいうよりは、ライダーかドライバーに近い姿だった。

そのパイロットは、どういう意図があるのだろうか、
通常サイズと比べるとかなり巨大なサングラスをしていた。

そのパイロットが、
人間タイプではなく、宇宙人タイプであることは、
ヘルメットやサングラスをしているとはいえ、
ルイージには、はっきりとわかった。

その顔つきは、カッコイイだのイケメンとは程遠い、
何というか、どっちかといえば、滑稽な顔つきだが、
そのパイロットからたちのぼる雰囲気は、

決して滑稽ではなく、
それなりに場数をふんだ戦士の様な雰囲気に似ていた。

だからと言って、ルイージはこのパイロットをみて

『あれっ!?』と思わずにいられなかったのは、
何もこのパイロットのみかけに似合わぬ雰囲気だけではない、

『あれ!? このパイロット、はじめて会った気がしない』
自分が記憶する限り、はじめてみるパイロットであるはずなのに、
ルイージはその様に思わずにはいられなかったのである。

-(9)〔ミスターLよ、お前は何を望むのだ!?〕へ続く-


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