『ルイージに歴史あり』その39

3月19日

第二部(ルイージ 起死回生、そして決意)


第三章:『ミドリのイカヅチ』


(2)不倶戴天の敵 前編

ルイージは、異次元世界の上空を飛行するPアドバンスに
牽引されている。

飛行するPアドバンスに牽引され上空を飛行するかたちに
なっているルイージ

『一時はどうなるかと思ったが、とりあえずマリオ兄さんと
僕は彼らに救出されたということか・・・』

ルイージには、100%というわけではないが、
とりあえず安堵の気持ちがあった。

『それにしても、このストレンジャー3号という男・・・』

ルイージはストレンジャー3号とミスターLとの会話を
思い出していた。

『デイジー姫の事を単に名前だけを知っているという感じではなく、
直接会って顔も見知っているといった感じだった』

(どうせ18年前のあの時から相変わらずしとやかさなんてものは欠片もない
男の矜持やプライドを欠片も理解できぬあのお姫さんのこった)
ストレンジャー3号がミスターLに言ったセリフが
ルイージの頭の中によみがえる。

『しかも、僕がマリオオープンゴルフでデイジー姫と初めて出会ったときよりも
前からデイジー姫の事を知って・・・!? ま、まてよ、マリオオープンゴルフ!?』

ルイージの中である一連の出来事が少しずつ思い浮かぶ。


現在おこなわれているノワール伯爵一味との戦いから、
さかのぼること16年前の1991年(平成3年)、
マリオオープンゴルフが開催された。

マリオオープンゴルフ、
あのマリオとルイージのマリオブラザーズが本格的ゴルフコースに
挑むという一大イベントである。

そして、イベントの大きさゆえだからだろうか。
マリオとルイージだけでなく、ピーチ姫とデイジー姫が
キャディとして参加する事になったのである。

尚、当然とでもいうべきなのだろうか、
ピーチ姫はマリオのキャディに、
デイジー姫がルイージのキャディにつくことになったのである。

『そういや・・・
あの時からデイジー姫はかなりお転婆というか・・・ 情熱的というか・・・
彼女の恋の力はすごかったかな・・・』
ルイージはデイジー姫と初めて顔をあわせた時を思い出す。

ゴルフコースに挑む前に、ゴルファーとキャディとの顔合わせがあった。
その時にルイージはデイジー姫と初めて対面するのだが、
デイジー姫の服装の色合いが、意味深長な服装だったのである。

一国の姫といえども、
イベントの主役であるマリオブラザーズより
目立たない様にしないといけないとでも思っているからだろう。

いつものピンクのいかにもお姫様らしい服装をしているピーチ姫でも
うすい緑の服装をしていたのに、
デイジー姫は、あきらかにそのうすい緑色よりも目立つ青色の服装だった。

しかも、その青色は、マリオがマリオオープンゴルフ用に
仕立てたアンダーシャツと同じ色だったのである。

そのうえ、恋愛に関しては、経験豊富ではない
ルイージでもわかるぐらい、デイジー姫はマリオに
熱烈な恋の視線をおくっていたのである。

つまり、俗な言い方をすれば、
デイジー姫はマリオにぞっこんだったのである。


そんな恋の視線にマリオは、
何とか社交辞令レベルの笑みをうかべているにせよ、
内心かなりどぎまぎしていた。

ピーチ姫の顔は微笑をうかべていた。
しかし、ピーチ姫の目は笑っておらず、怒りの色がうかんでいた。

(丸顔で愛嬌があって可愛いけど、
姫君様の前であんなことをするなんて・・・
恐れを知らぬというか、空気を読まぬというか、
何とも向こう見ずな姫様だなぁ)

それが、後に親密な関係を築く事になるデイジー姫に
ルイージが初対面でいだいた印象だった。


ルイージはデイジー姫に自己紹介をしたが、
当然の結果とでも言うべきか、
デイジー姫はそれなりに礼儀正しく自己紹介はしてくれたが、
何かうわの空の様な自己紹介だった。

尚、イベント開始前、マリオオープンゴルフの様子を
雑誌や新聞に掲載する為に、
マリオはピーチ姫と、
ルイージはデイジー姫と写真を撮った。

その際、デイジー姫はカメラにむかって、
きちんと可愛らしい笑みをうかべていたが、
どことなく心が落ち着いていない様子だった。

画像



(まぁ、何だか不安要素が多そうなキャディさんだが、
とりあえず彼女と共に頑張るしかないか)
ルイージはゴルフ場へ移動した

マリオオープンゴルフで挑むゴルフコースは、
本格的といわれるだけであって、難易度の高いゴルフコースだった。

幸運の女神に溺愛されているマリオといえども、結構てこずるコースだった。
また、ルイージにいたっては、マリオ以上に苦戦していた。

ただ、2人とも、そのコースに苦戦していたのは、
何も、ゴルフコースのもつ難しさだけではなかった。

原因はデイジー姫だった。

デイジー姫はルイージのキャディなので、本来ならば、
そのルイージに、何かとアドバイス等をしなければならない立場なのに、

デイジー姫は、そのキャディとして、ルイージにアドバイスどころか、
応援することすらせずに、
マリオのキャディであるピーチ姫の目の前で、マリオに
まるでピーチ姫そっちのけで、
熱心にアドバイスや励ましをおくっていたのである。


気品ある一国の姫なので、あからさまに手荒な行動にはでないが、
ピーチ姫とて、そんな真似をされてにこやかでいられる程、
内面はおしとやかではない。


ピーチ姫はマリオとデイジー姫に間に入って、
そんなデイジー姫の行動への牽制と怒りをこめて、
デイジー姫をにらんでいた。

そんなピーチ姫のにらみに対してデイジー姫はにらみかえす。

そして、そんな両者の恋のオーラがぶつかり合う。

そんなぶつかり合いの雰囲気に、
さすがのマリオといえどもゴルフに完全集中できず、
コースの難しさもあって、苦戦していたのである。

そしてルイージにいたっては、
いくら常人離れした身体能力があるとはいえ、
この当時、ゴルフの技術に関しては、
まだまだ未熟であったのか、

アマチュアの領域をでなかった。

そんなゴルファーが、キャディのアドバイスなしに、
臨めるほど、マリオオープンゴルフのコースは甘くはなく、
初日のスコアは泣けてくるくらい悪かった。

『くそっ!! 恋の火花散らす暇があるなら、
こっちにもアドバイスのひとつでもあたえてくれってんだ!!』
ルイージは心の中でデイジー姫に毒づいた。

そして、初日のゴルフ終了後、
ルイージはホテルで
デイジー姫と夕食後のコーヒーを飲んでいた。

デイジー姫はマリオと食事をしたかったが、

マリオは食事の時まで、
あんな雰囲気に関わりたくなかったので、事前に、
『多少強引でもいいからデイジー姫を食事に誘ってくれ』
ルイージに頼み込んでいた。

正直、アドバイスのひとつもおくらぬというキャディとしての務めも
全く果たしてない様な相手との食事などいやだったが、
兄マリオの頼みなら仕方がないとルイージは思った。

ルイージはデイジー姫を食事にさそってみた。

ことわられるか
あるいは、色々と文句を言われると思いきや、
あっさりとデイジー姫はOKした。

意外な相手の反応に、ルイージはびっくりしたが、
ホテルの食堂でルイージとデイジー姫は夕食をとることになった。

あんな恐れ知らずみたいな行動をするので、
さぞかし大雑把な食事のとりかたでもするのかと思いきや、

さすがはまがりなりにも一国の姫君というべきか、

食事のマナーは超がつくほど完璧だった。


(す、すごい 姫君様以外に、ここまで食事のマナーが
完璧な人がいるなんて・・・)
ルイージは、びっくりしていた。


-(3)不倶戴天の敵 中編 へ続く-

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