『ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ 番外編』その10

6月26日

(10)とても頼りになるアイツが帰ってきた。

ドラ・ザ・キッドの最大出力の空気砲が放たれる。

空気砲を放った瞬間、
その反動で、疲労困憊のドラ・ザ・キッドは、
ドラニコフの足に巻きつけたグラスファイバー・ロープから
手をはなしてしまい、真っ逆さまに、新雪地帯へと落下したが、
幾度も聞いた轟音、幾度も聞いた着弾した時の炸裂音が、
ドラ・ザ・キッドに確かな手ごたえを感じさせた。

(・・・手ごたえは、確かにあった・・・ まだ、終わりじゃない)

コンピューターへの多大な負担の影響で、もはや意識も朦朧としはじめているが、
ドラ・ザ・キッドは、気力をふりしぼって起き上がる。

(まだ、残っている・・・ 友情をとりもどすことが・・・)

ドラ・ザ・キッドの数メートル先には、最大出力の空気砲をくらって、
相当のダメージをうけながらも、闘う構えをみせるドラニコフがいる。

ドラ・ザ・キッドとドラニコフ
対峙する両者は、体が半ば、新雪に沈んでいた。

「お互い、ダメージ量を考えると、あと一撃しか繰り出せないか・・・」

ドラ・ザ・キッドとドラニコフは、にらみ合う

「ドラニコフよ、お前は、ハリウッドで脚光を浴びていたが、その裏では、
休みなんて、あってない様な過密スケジュールで、精神的に追い詰められて、
何かと辛かったのだろう」

ドラ・ザ・キッドとドラニコフは、最後の一撃の為に、
残された力をふりしぼる。

「そんなお前に対して、もう一度言わせてくれ」

ドラ・ザ・キッドは、空気砲を構える。
(疲労の影響で、その動作は緩慢だったが)

ドラニコフは、上体をのけぞる様に伸ばす。

「この闘いが、終わったら、俺達の友情やモモちゃんの愛情に
思いっきり、遠慮なく、よりかかってくれ」

ドラニコフは、口から火炎を吐いた。
辛いものを口に含むことで、火炎を吐き出す。

ドラニコフが、いざという時や、ここ一番にしか使わない切り札である。

「やはり、あの時のどら焼きには、タバスコか何かが含まれていたか」
迫りくる火炎を前に、ドラ・ザ・キッドは、空気砲を外す。

「だが、今の俺に、その切り札を使うのは、誤りだったな!」

自分の四次元ハット(※1)
まるで、フリスビーを投げるかの如く、残されたすべての力を
ふりしぼって、火炎に向けて投げる。

(※1)ドラえもんが、ひみつ道具を四次元ポケットに収納する様に、
ドラ・ザ・キッドは、四次元ハットにひみつ道具を収納する。



画像


自分の武器を外して、帽子を火炎に向かって投げる。
あまりの疲労に、敵は錯乱したのだと、ドラニコフは判断した。

フリスビーの如く、回転しながら飛ぶ四次元ハットは、
たちまち火炎にのみこまれる。

だが、次の瞬間、ドラニコフは仰天した。

火炎にのみこまれた四次元ハットは、燃えつきて灰になるどころか
凍りつきながらも、火炎の中を飛んでいるのである。

「このフローズン・スポットに対応する為に、俺自身だけでなく
使用する道具や装備にも、あべこべクリームを塗っているからな
燃えて灰になることなどないのさ」

仰天してしまっているドラニコフは、ドラ・ザ・キッドの言葉を聞いていない

凍りつき、直径1メートルぐらいの氷の弾丸となった四次元ハットは、
火炎をつっきり、ドラニコフの顔面に、クリーンヒットしたのである。

画像


砕け散った大量の氷の破片に囲まれながら、
ドラニコフは、仰向けに倒れた。

「勝負あったか」

ビッグ・ザ・ドラの言うとおり、
ドラニコフは、完全にノックアウトされていた。

「終わった・・・ これで、友情を取り戻せる」
力を使い果たしたが、友情を取り戻したいという思いが、
ドラ・ザ・キッドの足を進ませる。

ドラニコフのもとに近づいたドラ・ザ・キッドは、ベストから
親友テレカを取り出す。

「これで、俺達やモモちゃんのことを思い出して、戻ってきてくれ・・・」

ドラ・ザ・キッドは、ドラニコフに、親友テレカを握らせる。

親友テレカを握った瞬間、
かつてのドラ・ザ・キッド同様、
ドラニコフは、うめき声をあげた。

数秒後、ドラニコフは、悪のチップを口から吐き出した。

悪のチップを吐き出した瞬間、ドラニコフの顔は、
ドラ・ザ・キッド達の親友の顔に戻った。

「やっと、友情を取り戻せた・・・」

倒れて失神状態でありながらも、親友テレカをしっかりと握りしめて、
安堵の表情をうかべる親友をみた瞬間、
ドラ・ザ・キッドのコンピューターは、一時的にスリープした。

大した時間は経過していないことだけは確かなのだが、
どれくらいの時間が経過したのかは、正確にはわからない。

コンピューターの回復による起動で、意識を取り戻した時、
ドラ・ザ・キッドとドラニコフは、ロボット馬のダイバーに乗っていた。
ちなみに、ダイバーの隣には、スノーモービルに乗ったロボット警官が
並走している。

ロボット警官が、ダイバーの背中に、乗せてくれたにせよ、
スリープしたままで、手綱を握らずに、ロボット馬に乗っていたことになるが、
別に、背中に乗っている者が、手綱を握らず、熟睡していても、
背中から落とさずに、走ることなど、ロボット馬には、朝飯前なのである。

「起きはりましたか? 別に寝ていてもいいのに」

「いや、まだまだ疲労困憊だが、とりあえずは、手綱を握って
村に戻ることにするさ テキサスのバッファローともあろう者が
乗せてもらっているだけでは、格好がつかないから」

ドラ・ザ・キッドは、手綱を握る。


画像



「村に到着したら、親友テレカで、ドラメッドⅢ世に報告するか
とても頼りになるアイツが俺達のもとに帰ってきたと」



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