『ルイージに歴史あり 外伝』その13

8月6日

第3章 〔スーパーマリオランド編〕

(8)サラサ・ランドのデイジー姫

西暦1989年4月初旬
俺は、地球遠征の為に、先遣部隊の隊長として出陣した。

俺が率いる部下は、護衛用ロボットである
ロケトンのみである。

ちなみに、
俺がペットとして飼っているチッキンも数羽ほどつれてきた。


当然と言えば、当然なのだが、
悪の帝王と認識されている奴に、喜んで仕える部下など一人もいない。
ましてや、見送る者や心配してくれる者などいるはずもない。

さらにいえば、先遣部隊と銘打っているが、
後続する本隊などない。

つまりは、俺と8体のロケトンだけで、遠征することになるのだ。

普通に考えれば、こんな行動は、無謀極まりない行動に属するのだろうが、
俺は、数年ぶりに、とても嬉しい気分になっていた。

地球を俺に敵対する者など誰一人とて
入り込めない俺の王国とすることができるからだ。

まだ、遠征をする前なのに、俺は、それを信じて疑わなかった。

何せ、当時の地球の科学力は、
宇宙にあがろうという情熱はあったらしいが、
肝心の科学力が、まだまだ未熟な為に、
自由自在に宇宙へあがることさえできなかった。

人工衛星も、かなり前から、色々と打ち上げてはいたらしいが、
汎用性では、俺の故郷には、まだまだ及ばなかった。

携帯電話や端末装置も、俺の故郷の様に、リーズナブルな価格ではない。
かなりの地位がある者でなければ、買えない。
しかも、それらも、俺の故郷で使用されているものには、
性能的は遠く及ばない。

つまり、科学力では、勝利を信じて疑わないぐらい
圧倒的に優勢だったのだ。

それだけの科学力の差があるのだから、
遠征といっても、
綿密な作戦や長期戦もする必要など
全くないという確信があった。

大した時間もかけずに、地球を自分のものにできる。
当時の俺は、本気で、その様に信じて疑わなかった。

その様に信じて疑わなかったから、
地球遠征の手始めに、サラサ・ランドを選んだのも、
単なる気まぐれだった。

何のアクシデントもなく、いとも簡単に、
大気圏突入して、
サラサ・ランド上空にたどり着いた。

俺が、サラサ・ランドの上空にたどり着いた日は、
どういうわけか、激しい雨だった。

その激しい雨の音のおかげだと言うべきか、
サラサ・ランドの宮殿の上空に
自分でも拍子抜けしそうなぐらい、
すんなりと、たどり着いた。

戦闘ロボ パゴスのモニターを拡大させて、
宮殿の様子をみた。

真っ先に、ある光景が映った。

おそらく、この宮殿の主で、
俗にいう姫様とかいう者なのだろう
雛菊の紋章のついた王冠とドレスを着た女が、
何やらショルダーバックに、電話の受話器をつなげた様なものを
(これこそが、1980年代の地球で使用されていた携帯電話なのだが)
何やら、これみよがしに、自慢していた。

画像


もしかしたら、相手のことも考えずに、
数時間にわたって、自慢でもしていたのだろう

それを聞いている聴衆は、
(全員が、あの女の部下だろう
人間なのか、ロボットなのかはわからない
俺の故郷では、まずお目にかかれない、
奇妙な連中ばかりだったので、ちょっと驚いたが)

あからさまに、うんざりしていた顔をしていた。

(嫌だねぇ 相手のことも考えぬ自慢したがりは
あれじゃ、嫁のもらい手は、少ないな)

それが、サラサ・ランドのデイジー姫をみた
俺の最初の感想だった。

(オーディエンスの皆様方の為に、
さっそく仕事にとりかかるとしましょうかね)

俺は、スピーカーを外部モードに切り替えつつ、
彼等にも、認識できるように、機体を降下させた。

ロケトン達も、俺に続く。

「ご自慢のところ、すまないが、ちょっといいか」


よく訓練された部下達とでも言うべきか

いきなりの音声と、
上空から出現した機体の群れに、
驚きの声もあげずに、部下達が、バルコニーにでてきた。

「何なの!? アンタ!」

部下達が何かを言う前に、
静かだが、怒気を含んだ女の声が聞こえてきた。
声の主は、無論、デイジー姫だった。

「今、私は、やっとの思いで、この携帯電話を購入して、
その経緯とその性能を、みんなに聞いてもらっているのよ
邪魔しないでちょうだい ここは、アンタの様な
クッパ軍団の下級兵士のくるところじゃないのよ
シッ、シッ」
鬱陶しい奴でも追っ払う様な仕草をしながら
デイジー姫は言った。

無知か 
それとも一国の主がもつ胆力が
言わせているのかは、わからないが、

俺の予想に反して、
この戦闘ロボをみても
うろたえもしないのは、
全く気にならなくはなかった。

しかし、それは、一瞬のことだ。

それよりも、
この女の見下した言動に、カチンときた。


「随分とはっきりと言う姫様だなぁ
じゃあ、俺もはっきりと言ってあげよう
痛い目に会わぬうちに、
とっとと、アンタの国を俺に差し出せ!」

どうせ、緻密な作戦も要らないのなら、単刀直入に言って、
すみやかに終わらせてやるつもりだった。

「はぁ、痛い目に会わぬうちに、国を差し出せ?
まぁ、雑魚の分際で、身の程知らないとは、まさにこのことね
ヒョイホイ(※1) この馬鹿をしつけてあげなさい」

デイジー姫と部下達は、中に戻る。
どうやら、俺を完全に、
そこらのチンケな雑魚
いや、そこいらの塵やゴミ程度しか思っていないのは
はっきりとわかる。

(※1)スーパーマリオランドにでてくるサラサ・ランドの
イーストン王国のボス マリオの十八番でもある
ジャンプしてからの踏みつけ攻撃も、全く効かない程の頑丈(?)な敵


ヒョイホイと呼ばれた妙な2頭身の石像もどきの生命体は、
バルコニーから地面へ降り立った。

「オイ、根性があるのなら、そこから降りて戦ってみろ
そうすれば、その根性に免じて、身の程知らずでも、
一発殴るだけで勘弁してやろう」
ヒョイホイは、挑発をしてきた。

ヒョイホイの態度に、さらにカチンときた。

「部下も、主人と同じように、面白い生命体だな」
俺が戦闘ロボを降下させようとする。

「タタンガ様、あんな程度の低い挑発と侮辱に乗ることなど」
ロケトン1号の通信がはいる。

「わかっている だが、ああいった者達には、
俺の恐ろしさを叩き込んでやらねば気がすまない」

「しかし、戦士の適性がないにも等しいタタンガ様が、一騎打ちなど」

「心配するな 俺は、お前の言う様に、戦士の適正のない
補給部隊あがりだが、戦える武器は
ちゃんと用意していることを忘れたのか」
俺は戦闘ロボを地面に着陸させると、地上に降り立った。

(思った通り、重力や気候には、何の違和感もないな)

俺はヒョイホイとの距離を2メートルほどまで縮めた。

「ほぅ、根性はあるが、頭が悪いな
では、これで終わらせてやろう」

持ち込んでもいたのか
ヒョイホイは、大きな岩を投げる態勢をとった。

俺は、笑いながらポケットに両手を突っ込んだ。

「科学力の低い奴らは、発想もチンケだな
人に根性あるならかかってこいといって、
自分はのうのうと武器を使用するのか」

画像


俺はヒョイホイとの間合いをさらに縮める。

「まぁ、俺は別に構わない。 
俺にその岩を当てられるものなら、当ててみろ」

ヒョイホイとの間合いは、1メートルもない。

「馬鹿か! この距離で、
お前なんぞに避けられるわけがないわ!」

ヒョイホイは、岩を打ち下ろすかの様に投げようとする。

確かに、奴の言う通り、
この間合いで当たらない方がおかしかっただろう。

だが、ヒョイホイは、俺に岩を当てるどころか
前方に派手に数メートルほど、
ぶっ飛び、地面に倒れた。

仕組みは、簡単だ。
俺が、奴に宇宙催眠をかけて、
自分から前方に派手にぶっ飛ぶ様にしむけたのだ。

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ちなみに、ポケットに手を突っ込んだのは、
奴の程度の低い挑発へのちょっとした
仕返しみたいなものだった。

「ちょっと、ヒョイホイ あんな雑魚相手に、
大きい音をさせすぎでしょ! せっかくの私の談義に
余計な雑音を」

何も知らぬデイジー姫達がバルコニーにあらわれたが、
ヒョイホイがぶっ倒れているシーンをみて
言葉がとまった。

「余計な雑音だなんて、コイツもお前さんの命令に従って
俺と闘ったのだから、酷なことを言うなよ。
まぁ、それよりも、どうする? お姫様
とっとと国を差し出すか? まだ、その気がないのなら、
そこにいるお前さんの部下を全員相手してあげようか?」

-(9)無茶と暴勇に続く-

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