『ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ 番外編』 その12

11月20日

(12)勇気と頑張りに限界なんかない!?

エル・マタドーラの言う通り、エル・マタドーラとドラえもんの闘いは、
のび太の入院している病院にも放映されていた。

「ドラえもん、頑張れ 君と君のひみつ道具なら必ず勝てる! 」
のび太は、エル・マタドーラと鍔迫り合いをしている
ドラえもんを声援する。

のび太が入院している病室には、
色々なドラえもんのひみつ道具が置かれていた。

別に、ドラえもんがのび太への見舞いとして、
持ってきたわけではない。

ドラえもんが、エル・マタドーラとの決戦にそなえて、
必要最低限のひみつ道具以外は、病室に置いていったのである。

幸い、
個室だからいいものの、なぜ、闘いに不要なひみつ道具を
病室に置いていくのかという思いがなくはなかったが、

ドラえもんの闘う姿をみていると、そんな思いも、
のび太の中から消え去っていた。

「頑張れ! ドラえもん そうだよ そのまま、少しずつだけど
押していけ!」
のび太はドラえもんを声援する。

「なっ!? 僕が、押されはじめている!?」
ドラえもんとエル・マタドーラの鍔迫り合いは、
少しずつだが、ドラえもんが押し始めていた。

「テクニックが駄目なら、パワーでなんて考えが通じる程、
この名刀電工丸は、甘くはないさ」
ドラえもんが押しながら前進する。

「くっ、タ、タヌキが!? 」
押されるエル・マタドーラは後退する。

「そりゃああ!!!」
ドラえもんの気合いの一閃が、ゴムの剣を空中に弾き飛ばし、
エル・マタドーラを後方へ弾き飛ばした。

「これで、フィニッシュだ!」

それと同時に、ドラえもんが突きを繰り出した。

繰り出すのは、名刀電工丸が突きである。
エル・マタドーラが、ひらりマントを使用するよりも、
速く剣先が、エル・マタドーラの額に届く
ドラえもんは、確信した。

のび太も、勝利を確信した。

剣先が、
かろうじて、地面に倒れるのを踏みとどまった
エル・マタドーラの額に、あと数cmとせまった時、

エル・マタドーラは、前方に反時計回りに体をひねりながら
ジャンプした。

ドラえもんの剣先には、エル・マタドーラが後ろに持っている
ひらりマントがみえた。

画像


「電工丸がいなされ、あがぁ!!?」
名刀電工丸の剣先がひらりマントによって、そらされた瞬間と同時に、
ドラえもんの左側頭部に激痛がはしった。

エル・マタドーラのバックハンドブローが、
ドラえもんの左側頭部にヒットしたのである。

「うがぁぁぁぁ!!!」
激痛のあまり、ドラえもんは、電工丸を落とした。

左側頭部を押さえながらうずくまるドラえもんを
エル・マタドーラに攻撃をしかけず、バックステップで
距離をとりながら、ゴムの剣を拾い上げる。

「クリーンヒットでもないのに はっ!?」
ドラえもんの様子に、
のび太は、中華一番カンフーコンテストのことを思い出した。

「そうか! あのカンフーコンテストの決勝戦で、
王ドラのキックを左側頭部に、クリーンヒットされた時の傷が
完治していなかったからか」

1分間程、うずくまった後、
歯を食いしばりながら、立ち上がるドラえもん

だが、その息づかいは、ひどく苦しそうだった。

「格闘技の試合なら、とっくにカウントとられて、負けなのだが
立ち上がってきたか お前の頑張りとやらも、伊達や酔狂の類では
決してないということか」
エル・マタドーラは、ゴムの剣をみる。

先程のドラえもんの気合いの一閃によるものだろう。
折れなかったにせよ、剣の根本のゴムが大いに剥がれていた。

「名刀電工丸と打ち合えば、
僕のゴムの剣も、使い物にならないか」
エル・マタドーラは、ゴムの剣を放り投げた。

「だが、その様子では、別にゴムの剣も使えなくても
徒手で十分だな」

エル・マタドーラは、右のストレートをくりだす。

「負けるものか!」
ドラえもんも、右ストレートをくりだす。
クロスカウンターをねらう。

だが、エル・マタドーラは、右ストレートを途中で止める。

(フェイント!?)

ドラえもんの右後ろ側に移動することで、右ストレートを
かわしつつ、エル・マタドーラは、ドラえもんの右肩を押した。

右ストレートをくりだした勢いもあって、
ドラえもんは、思わず踏鞴を踏んでしまった。

「ぬがあああぁぁぁ!!」

その瞬間、ドラえもんの両肩に激痛が走る。

踏鞴を踏んでしまって、無防備になってしまった
ドラえもんの両肩めがけ、エル・マタドーラが、
頭の角を突き立て、まるで猛牛のごとく、頭の角で
ドラえもんを上空へ放り投げた。

数メートルの放物線を描き、
頭から、真っ逆さまにドラえもんは、地面にぶつかり、
うつ伏せになって、倒れる。

「深く突き刺したわけではないのに、さっきの痛がりよう
はっ!?」

意識はうしなっていないにせよ、
うつ伏せになって、うずくまるドラえもんの両肩をみて、
のび太は思い出す。

「ドラメッドⅢ世との戦いの後、やたらと肩の調子が悪いと言っていたが、
あの戦いで、肩を痛めていたのか!?」

のび太は愕然とする。

「やばいぞ! あんな的確に、古傷を攻撃されていたら、
ドラえもんでも勝ち目はないに等しいよ 加勢しなくては!」

のび太は、病室を出ようとするが、痛みにうずくまった。

「そういや、お医者さんに、意識が正常に戻っても、
必ず安静にしておく様に、言われていたのだった」

3日前のエル・マタドーラの経絡突きによるダメージが
全く完治していないのである。

「だからと言って、友達の危機に対して、何一つしてやれなくて、
何の友情だよ」
のび太は病室に置いてあるひみつ道具をみた。

「タヌキにしては、思った以上に頑張ったじゃないか 
この僕のゴムの剣を破壊したのだからな
闘牛の何たるかを全く理解しない無知蒙昧どもでも、理解してもらえるのではないかと
思えるぐらい久しぶりに、有意義な戦いだったよ」
エル・マタドーラは、うずくまるドラえもんとの間合いを
約3メートルまで狭める。

「タヌキの頑張りとやらに、敬意を表して、この僕のとっておきのひとつ、
フルパワーでの角の突進をおみまいしてあげよう」
エル・マタドーラは、突進の体勢にはいる。

ドラえもんは、うずくまったままだ。

「敬意を表するついでに、先程のお前のセリフも使わせてもらおう
これで、フィニッシュだ!」
エル・マタドーラは、突進した。

瞬く間に、ドラえもんとの距離が縮まる。

あと数cmと、エル・マタドーラの角がドラえもんにせまった時、

ドラえもんは、勢いよく立ち上がった。

(あれは、柔道の達人のみが着用をゆるされるブラックベルト!?)
エル・マタドーラの視界に、ドラえもんの腰にまかれた黒帯がはいる。

「うりゃああああ!!!」
ドラえもんは、気合とともに、エル・マタドーラの突進の力も利用して、
背負い投げをさくれつさせる。

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だが、エル・マタドーラは、両足を先に、地面につけることで、
背中の地面への激突をふせいだ

「なるほど、僕の国では、全くといっていい程、お目にかかったことはないが、
そいつが、一度、腰にまけば、
いかなる者も柔道の達人に変えるといわれるブラックベルトか
もし、お前の体調がベストコンディションだったら、
固い地面に背中を叩きつけられ、一瞬だがコンピューターも停止してしまって、
瞬く間に、KO負けをしていたのかもしれないな」
エル・マタドーラは、体調が万全ではないとはいえども、ブラックベルトが
繰り出す投げ技に、冷や汗をかきながらも笑っていた。

「だが、その両肩のダメージでは、もはや僕を投げ飛ばす事もできまい!
今度は、逆に僕がお前を投げ飛ばしてくれる!」

「ば、馬鹿にするなよ! ボクの勇気と頑張りには、限界なんかあるものか!!」
左側頭部と両肩のダメージを、あらん限りの気力で懸命にこらえながら、
ドラえもんは、フルパワーでエル・マタドーラを上空へ投げ飛ばした。

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