小説版『機動戦士Zガンダム』を読みました (余談 その7)

12月23日

(7)ブライト・ノア(後編)

小説版『機動戦士Zガンダム』を読むまでは、
ブライト・ノアとは、単なる神経質そうな堅物という
イメージしかなかった。

しかし、小説版『機動戦士Zガンダム』を読んでみると、
ブライト・ノアとは、ハヤト・コバヤシと同等、
いや、それ以上かもしれない程の生真面目で、
他の元ホワイトベースのクルー達と比べて
良くも悪くも不器用ぐらい正直且つ率直な人間なのだと思った。

そんなブライトの正直さや
率直ぶりが感じられる例を挙げてみると、

エゥーゴへの参画後、ジャブロー制圧の為に、

地球へ降下するシャアに、
ジャブローにいる妻子のことを救出する依頼をした。

普通ならば、軍事行動という行動の最中に、
自分の家族を助けてくれという個人的な依頼をするなんてことは、
しようとしないだろう(いや、状況がそんなことをさせてくれないと
いった方が正しいのかもしれないが)

例え、依頼するにしても、
個人的な依頼に、何とか大義名分をたててから依頼すると思う。

そもそもジャブロー制圧が、無茶な任務であるのに、
家族を救出してくれなどと

さらなる無茶なことを依頼することを
ブライトは自覚しているが、ブライトにとって、
家族は、かけがえのない大事なものである。

逡巡しながらも、率直にシャアに依頼した。

シャアは、できるだけ救出する努力をすると言って、
ミライ達のいる場所をブライトにたずねた。

シャアは、
家族をもつ者としてブライトが率直に、
感情を表して依頼してくれたことを
それはそれで快いものだと思ったらしく、

もし、ブライトが、何も依頼などしなければ、
シャアは、ブライトのことを軽蔑していたらしい。
(あるいは、ブライトがとってつけた様な理由で
家族救出の依頼もすれば、シャアは軽蔑しなかったかもしれないが、
快くは思わなかった可能性もあったと思われる)

画像

(↑ヘンケン艦長)

フォン・ブラウン市の警戒に入るために、
アーガマとラーディッシュが整備をしていた時

つかの間の休息なのだろう
ブライトは、ラーディッシュの艦長
ヘンケンとしゃっべていた。

相変わらず
制服の胸元のファスナーをあけたままにしているヘンケンに
中尉(エマ・シーン)に気があるのならば、
ファスナーぐらいちゃんとしろよとブライトは言った。

そんなブライトの言葉に、ヘンケンは
別に、エマ中尉は、俺のことを
気にしてはいないからいいと言ったが

ブライトは、エマ中尉ではなくヘンケンが
気になっているのだろうと当番兵に、
ヘンケンにワインを持ってくる様に命じた。

艦長たる者が、整備中にワインかと
当番兵がムッとしていたので、
ブライトは、規則に厳格なのは、わかるが、
ヘンケンは恋に悩んでいるのだから
許してやれと率直に言った。

普通ならば、詳しい理由も言わずに、
いいから、とっととワインを
持ってこいとでも言いそうなものだが、
ブライトは、遠回しにではなく、ストレートに言った。

言われたヘンケンからすれば、たまったものではなかった。
(もっとも、ヘンケンでなくても、男が、コイツは恋に悩んでいると
ストレートに言われたら、たまったものではないが)

当然、ヘンケンは、ブライトに今の言い方はないだろうと言った。

そう思うのならば、
少しはエマ中尉に好かれるようにすればいいだろうと
ブライトは、平然とストレートに言った。

だが、ヘンケンは、そんなバカなマネができるかとこたえた。

ブライトが、なぜバカなのかとストレートに理由を聞くと、
ヘンケンは理由を言った。

自分の様な年齢の男が、
女の気をひくために、好かれる様なマネをすれば、
兵達の物笑いの種になるだけである。

笑い者になるだけならまだしも、
将校としての自分の指揮権が兵達に軽くみられて、
あげくの果てに無視でもされれば、死なないでいいところで死ぬとさえ
ヘンケンは言い出した。

ブライトにも、ヘンケンの言いたいことが
わからないでもなかったと思うが、
率直にたずねた。

じゃあ、エマ中尉は、いらないのか

(大げさかもしれないが、)
そんなブライトの率直さに対して、
自分の思いをはきだしたからなのかもしなれないが、
ヘンケンも、率直にこたえた。

あの娘は欲しいなと

さて、ブライトは、ヘンケンにも語った様に、
一年戦争時代、なりゆきで、軍人の経験など全くない
民間人の素人の集団を任された。

そんな素人の集団と衝突することもあった。

しかし、ブライトの不器用なまでの率直さが、
ミライやアムロをはじめとする素人の集団を引き付けた。

その結果、
彼らなりに、ブライトを敬う様になったのかもしれない。

単純に生きのびたいという思いだけだったかもしれないが
一年戦争時代、
ブライトが倒れた際は、
ミライをはじめとするホワイトベースのクルー達は、
逃げることなく戦った。

グリプス戦役時代も、
無茶とも思えるブライトの命令にも、
クルー達は、なんだかんだ言っても従っていた。

(間違っている可能性が大いにあるが)
もちろん、ブライトも自分の命令が無茶な命令である場合も
あることはわかっている。 

自分の命令でクルー達が無茶してくれることもわかっている。

そのことで、逡巡することもある。

しかし、自分には率直さという人徳があるから
無茶な命令もすれば、クルー達が無茶してくれると
割り切っていたのかもしれない。
(もちろん、ブライトは、そのことに
決してあぐらをかいてなどいなかったと思う。)

ガディ・キンゼーの艦長としての最大の武器が、
戦況がどの様に変化しようが、対処してやるという覚悟だったと
思われるように、

ブライトの艦長としての最大の武器は、
人徳なのだと思われる。

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