『ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ 番外編』 その19

12月22日

(19)ドラリーニョの提案

イージーホールのブラジルの
サッカー競技場

いるのは、審判と選手だけである。

縦105m、横68mの
サッカーのフィールドのセンターラインを挟んで、

その選手達、
王ドラチームの11人の選手と、
ドラリーニョチームの11人の選手が並んで立っている。

画像


王ドラチームのメンバーは、

王ドラ、ドラメッド3世 

ラオチュウの高弟で師範代も務める
ジャイチェンとスーチェン、

ラオチュウの弟子達7人、

尚、ラオチュウの弟子達7人の内の4人、

爆発一郎、爆発二郎、爆発三郎、爆発四郎、

かつて、中華一番カンフーコンテストで、
のび太とドラえもんと戦った者達、

この4人は、
ラオチュウの弟子ではなく、
爆発一門の門弟達である。

本来ならば、
この試合に参加する義務など全くないが、

かつて、食客として、一時的だが、
ラオチュウに弟子入りしたこともある。

その縁で、王ドラとラオチュウの呼びかけに応じて、
(もっとも、この4人も、王ドラとドラメッドⅢ世を除く
他の5人同様、のび太に負けて、むしゃくしゃしていたので、
憂さ晴らしをしたいという意味もあったが)
この試合に参加した。

一方のドラリーニョチーム、

画像


ドラリーニョと
そのチームメイト達

チームメイト達は、全員、
王ドラ達の前にあらわれた
ドラリーニョの護衛もつとめる強化型プロレス用のロボットだった。

通常のプロレス向けに作られたロボットと違い、
総合格闘技等の他の格闘技にも対応できる様に
カスタマイズされたロボットである。

左胸の製品番号以外は、同じデザインのロボットだ。

ちなみ、この強化型プロレスロボは、
通常のプロレスロボに比べれば、
パーツの強度は、かなり低く、パワーも低い。
身長も、一般成人男性と大差ない。
(あくまでも、通常のプロレスロボと比べてであって、
そこいらの家庭用のロボットとは、比較にならぬ程、
パーツの強度は高く、パワーもあるが)

その代わりに、通常のプロレスロボットよりも
はるかに、機動性、俊敏性に優れていた。
また、体格も、それにあわせるかの様に、
シェイプアップされている。

「よくぞ、逃げずに来たね 偉いね」
ドラリーニョは、せせら笑った。

「当たり前アル、友情を取り戻せずして、逃げないアルネ
とっとと試合を開始するアルヨ!」
王ドラの鼻息が荒い

一刻も早く友情を取り戻したいという思いと同時に、
ドラえもん以上に、
真面目で、頑固者の王ドラには、間もなく試合が開始前なのに、
せせら笑う様な奴は、許せなかった。

「まだ、試合開始までに5分もあるから、
ルール説明させてもらうよ

君達向けに
わざわざ設定しておいた特別なルールだよ
聞いておいた方がいいよ。」

「ワガハイ達向けのルールだと?」

「簡単な内容さ、試合時間が前半と後半が、それぞれ15分、
その間のインターバルが10分それで決着がつかない場合、
10分のインターバル後、延長戦の前半と後半がそれぞれ5分、
それでも決着がつかないのならば、PK戦で決着をつけるというものだよ」

「それが、なぜ、ワガハイ達向けのルールだと?」
ドラメッドⅢ世には、いまいちわからなかった。
この試合は、別に、国際試合ではない。
ドラリーニョとの友情が取り戻すことが最優先の試合なので、
試合時間が3分以下とか、短い時間の試合でもない限り、特に
自分達に有利でもなければ、不利でもない試合時間だと思うからだ。

「わからないかなぁ 君達は、3分間闘えば、セコンドに
治療してもらったり、アドバイスをおくってもらったりしているじゃないか
そんな体の弱い君達に対する配慮の意味もあるのだよ」
ドラリーニョは、どうだと言わんばかりの顔つきだ。

「馬鹿アルか! 王ドラ達はカンフー使いと魔法使いアル!
お前が言っているのは、ボクサーのことアル!
それに、ボクシングは、1ラウンド3分というルール設定アル!
別に、体が弱いとかじゃないアルね!!」

一瞬、あっけにとられていた王ドラは、激昂した。

「そんなアホな考えからでたルールなら、大きなお世話アル!
お前達のいつも通りの試合時間で、闘ってやるアル!」

「いや、試合時間は、さっき言った通りにするよ」
ドラリーニョは、王ドラの激昂など、どこ吹く風だ。

「だってさぁ、試合時間が30分でも余裕で勝つのに、
試合時間が90分なんて、とても長い時間もあれば、
ただのいじめになるよ。」
ドラリーニョは、せせら笑う。

「・・・いいだろう。 そのルールで試合をするとしよう。
別に、ワガハイ達には、
その試合時間は、有利でもなければ、不利でもないからな」
さらに、激昂して何かを言いそうな王ドラをおさえつつ、
ドラメッドⅢ世はドラリーニョの提案を呑んだ。

「まだ、3分もあるからね。 まぁ、せいぜい、
円陣でも組んで気合いをいれるとかでもしておくといいよ」
ドラリーニョは、振り返る 
それと同時に、ドラリーニョのチームメイト達も
振り返る。 

所定のポジションについて、試合開始の時間を待つ為である。

「あっ、そういえば、言い忘れた事があったよ」
ドラリーニョは、一旦足を停めて、王ドラとドラメッドⅢ世に
顔を向ける。

「ビッグ・ザ・ドラ様は、この僕に、
無駄に競争と邪念が入り乱れたサッカー業界を生き抜けるように、
僕の体内に、悪のチップという素晴らしいアイテムを埋め込まれた。
だが、お前達は、僕から、そのアイテムを取り上げようとしている
僕からすれば、暴挙で愚かしい行動だ」
ドラリーニョは、せせら笑う。

「しかし、ものすげぇ運よく、
僕に勝てたら、取り上げさせてやろうじゃないか」
ドラリーニョは、馬鹿笑いしながら、歩き出す。

「完全に、なめてやがるよな、アイツ」
ジャイチェンが、ドラリーニョの後ろ姿をみながら
ドラメッドⅢ世につぶやく。

「そうだね、カンフーどころか、格闘技全般を、なめているね」
スーチェンも、頷く。

「今すぐにでも、ギタンギタンにしてやらねぇと、気がすまねぇや!」
ジャイチェンが吠える。

「おいおい、これは、サッカーの試合だって、喧嘩じゃないだろう」
ドラメッドⅢ世が2人をなだめる。

「でも、監督から、ここ最近の奴らの試合映像をみせてもらったけど、
門外漢でもわかる ありゃスポーツじゃない、
完全に、相手を嘲笑い、踏みにじり、
叩きのめすことしか考えてない喧嘩と変わりないぞ」
爆発一郎の表情には、不快な感じがあらわれていた。

「だからと言って、喧嘩に喧嘩で対応するのは、
そこいらのゴロツキと変わりがないアル。
自分を律して、いかなる状況下にても対応する。
それがカンフー使いの領分アル」

ドラメッドⅢ世に、なだめられて落ち着いた王ドラは、
いつもの調子に戻る。

「王ドラの言う通り、いかなる状況下で、いかなるルールに
抵触することなく、闘ってのける力は、
例え、スポーツというカテゴリーにおいても、
カンフー使いと魔法使いの力は、決して半減することなどないよ」
ドラメッドⅢ世は力強く言った。

王ドラがはじめとする皆が一斉に頷き、
所定のポジションにつくために、歩き始める。

ドラメッドⅢ世は、歩きながらも、気になっていた。

(奴の提案を呑んだけど、ドラリーニョの奴、
試合時間が30分でも余裕で勝つと言っていた・・・)

ドラメッドⅢ世は、ドラドラ7の学生時代を思い出していた。

ドラドラ7の中で、

ドラリーニョの運動神経は、ずば抜けて優れていた。
サッカーは、もちろんのことだが、
短距離競走でも、その運動神経を十二分に、
ドラリーニョは発揮した。

その結果、学生時代、
ドラメッドⅢ世、ドラえもん、ドラ・ザ・キッドは、
一度も、短距離競走で勝てなかった。

いや、彼らだけではない
エル・マタドーラ、ドラニコフ、王ドラ、
フットワークとスピードで、学園で名を馳せた3人ですら
一度も、短距離競走で勝てなかった。

つまり、学生時代、
誰一人、短距離競走で、
ドラリーニョに勝てなかったのだ。

学生時代、短距離競走やサッカーで負ける度に、

これこそが、
自分にはない天賦の才によって、もたらされた
俊足というものなのだと
ドラメッドⅢ世は痛感させられたものだった。

(学生時代、ドラリーニョとは、体育の授業で、
何度かサッカーの練習試合で対戦したものだが、
奴のサッカーのテクニックも、すごかったが、
あの俊足も、脅威だった。 

あの俊足が、もし、あの状態でも健在ならば、果たして・・・)

「チームの要たるお前が、
そんな心配事を抱えたような表情でどうするアルか」
王ドラが、ドラメッドⅢ世の肩をたたく。

「もう賽は投げられたアル、あとは全力を尽くすしかないアル!」

「そうだったな」
闘いに臨む王ドラの真摯な表情をみて、ドラメッドⅢ世は、頷く

王ドラの言うとおり、今更、ドラリーニョの俊足のことを、
不安がっても仕方がない。

あとは友情を取り戻す為に、全力をつくす以外にない

両チームのメンバーが所定の位置についた。

王ドラチームは、
ゴールキーパーがドラメッドⅢ世、

サイドバックが、爆発一郎と爆発次郎、
センターバックが、爆発三郎と爆発四郎、

オフェンシブハーフは、王ドラ、
サイドハーフとディフェンシブハーフは、
スーチェンとラオチュウの弟子3人だった。

フォワードはジャイチェンだった。

ちなみに、余談になるが、
フォワードは、王ドラにするかジャイチェンにするかで、
チーム内で、ちょっぴりもめたが、

フォワードの主な役割は、常に点を取ることである為、
真面目で堅物の王ドラよりも、攻撃的なジャイチェンが
向いているだろうというドラメッドⅢ世の意見により、
フォワードはジャイチェンにきまった。

一方のドラリーニョチーム、

かつて、学生時代、
エースストライカーの異名をもっていた
ドラリーニョは、
いつもフォワードについていた

映像で確認した限りだが、

最近の試合でも、
ドラリーニョは、同じくフォワードについていた。

そんなドラリーニョのことだから、当然
フォワードにつくと
ドラメッドⅢ世と王ドラは予想していた。

だが、ドラリーニョは、センターバック、
それ以外のポジションに、
強化型プロレスロボ10体が、ついた。

(自分が攻撃に積極的に参加しなくても、
ワガハイ達を叩きのめせると思っているのか、
それとも、何らかの作戦か・・・

いや、間もなく試合開始だ 気にしていても仕方がない!)

両チームのメンバーが所定のポジションについてから、
間もなくして、試合開始のホイッスルが鳴った。

王ドラチームが攻撃側、ドラリーニョチームが守備側である。

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