小説版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を読みました その7

1月24日

クェス・パラヤ
地球連邦政府参謀次官であるアナデウアー・パラヤの一人娘
俗に言うエリートの令嬢であり、
優れたニュータイプでもある。

エリートの令嬢なのだから、さぞかし順風満帆な
生活をしているのかと思いきや、その家庭の内容は、哀しかった。

父親なのか母親なのか
どちらに原因があるのかはわからないが、
父親が離婚して、再婚した。

その再婚相手、
つまり、クェスの継母は、父親の愛人だった。

実際は、どういうものかわからないが、
クェスは、この愛人の継母が、父親をだまして、
母親を追い出したとでも信じて疑わなかった。

当然、継母との折り合いが悪かった。

これも当たり前なのかもしれないが、
娘と愛人の仲の悪さに、父親アナデウアーが、
できることと言えば、両者に機嫌をとりながら、
仲良くしてもらうこと以外になかった。

だが、クェスが継母と仲良くなることはなく、
適当なことを言って、何の威厳もなく、
子供の機嫌をとる様なことしか言わない
父親を嫌って、クェスは、家出した。

家出の間に、クェスはニュータイプについて学んだ。

無自覚だったと思うが、そのことで、
自分がニュータイプだと悟っていたと思う

これも、無自覚だったと思うが、
優れたニュータイプの自分は、
ニュータイプでない父親とは違うとも思うようになり、

ますます、父親を嫌うようになったのかもしれない。

家出はしたものの、
結局、クェスは、父親に連れ戻されて、
宇宙へあがることとなり、

アムロとシャアに出会い、
シャアに惹かれて、
ネオ・ジオン軍に参加することになる。

画像

〔↑クェス・パラヤ(小説版)〕

さて、クェスは、
父親であるアナデウアーをめちゃくちゃ嫌っていたが、
心の底というか、無意識にというか、
とにかく、自分を許容してくれる
強さと懐の大きさをもった父親を求めていたと思う。

そのあたりは、小説版『機動戦士Zガンダム』の
カミーユ・ビダンに似ていると言えなくないと思う。

小説版『機動戦士Zガンダム』のカミーユも
自分をしかって、しつけるだけで、守ってくれない、
構いもしない母親のことを快く思っていなかったが、
心の底というか、無意識にというか、
自分のことを許容してくれて、守ってくれる強さをもった
母親を求めていた。

ニュータイプ同士の共感もあると思うが、
彼の立場からすれば、
危険な敵であるはずのハマーンやロザミアの強さに
カミーユは惹かれ、母親を求めたと思う。

クェスも同じだったと思えなくもない。
アムロとシャア、誰もが知るニュータイプの英雄達に
興味をもつと同時に、
彼等に、無意識に、クェスは、父親を求めていた。

だが、アムロには、ベルトーチカがいた。

しかも、ベルトーチカは、アムロの子を身籠っていたことを
感じとっていた。

そんなアムロでは、
クェスは、父親を求めることはできない(※1)
感じとっていたと思う。

(※1)劇場版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、
クェスが、無意識にアムロに父親を求めていたことを
アムロは、感じとってはいたらしい。
しかし、アムロは、クェスに対して、特別な愛情や義務感もない。
そんな機械やプログラムでもない生身の人間の男が、
クェスの求める父親になどなれないこともわかっていた。


だが、シャアは違った。
シャアが、少なくとも継母や父親と違い、
自分と同じニュータイプであること、

シャアには、
深い関係をもつメスタ(※2)という女性はいるにせよ、

アムロの様に、愛する妻子がいないことを
クェスは、感じとっていた。

(※2)クェスは、メスタをめちゃくちゃ嫌っていた。
おそらく、シャアに父親を求めるクェスにとって、
シャア自身がメスタ個人を愛していなかったにせよ、
メスタが、父を騙して、自分から両親を遠ざけた
継母の存在とオーバーラップするのだと思う。

そんなメスタに、軍の士気に関わる粗相をしたことで、
平手打ちをくらわされた際、

かつてのグリプス戦役の最終決戦の際、
(当人が、半ば精神が混乱していたので、
実際は、全くわからないが)
自分の母親を寝取った間男と
寝取られた母親を、半ば狂乱しながら非難した
カミーユの様に、

自分の服を脱ぎながら、
メスタを追い出すと、半ば狂気じみた様子で叫びながら
モビルスーツ・デッキに向かった。


さらに、シャアは、少なくとも父親と違い
クェスの優れたニュータイプ能力を
認めて、愛でた。

そんなシャアに、クェスは、
自分を許容してくれる父親を感じ取り、
シャア個人を愛するようになった。

だが、シャアは、一年戦争時代、
親の仇の一族の人間であるガルマ・ザビに対して、

親友の仮面をつけて、親友の姿を装って、接していた

また、彼にとって特別な存在でもあるはずの
ララァ・スンに対しても、
自分は、ララァの才能を
愛しているだけだと言う様な男である。

クェスが求める父親の仮面をつけて、

クェスが求める父親の姿を装い、

クェスの才能を愛でることはあっても、

クェス個人を愛してはいなかったと思う。

アムロが、クェスは、シャアに、たぶらかされて、
シャアの便利な道具に、成り下がるだろうと
考えていた通り、

結果として、クェスは、シャアに、便利な
戦争の道具として、ある意味、言い様に利用された。

何の運命のいたずらなのかは、わからないが、
自分のことを、本気で、とても心配してくれた
ハサウェイの一撃により、クェスは、命を落とすことになる

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