『ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ 番外編』 その21

4月9日

(21)カンフー使いのシュート

ドラリーニョをぬいて、ドリブルする王ドラ、

(敵のDF陣は、ぬいたアル!
あとは… おおおっ!?)

敵のDF陣をぬいて、ペナルティーエリアにはいる
王ドラは、自分のすぐ背後に強烈な殺気を感じた同時に、
上体を前にかがめた。

上体を前にかがめ、自分の後頭部より数cm上に、
何かが弾丸の様に走るのを王ドラは、感じた。

「力量は測ったつもりだけど、よけられたか!」
ドラリーニョだ。

ドラリーニョが、追いついて、自分の後頭部めがけ、
左のパンチをくりだしてきたのである。

王ドラのうけた衝撃は、決して軽くない。
その為、ほんの一瞬だが、動きと思考が鈍る。

ゴールキーパーである強化プロレスロボ1号が
動いていることに、瞬時に気づけなかった。

「でも、このエリアは、ペナルティーエリア、
ゴールキーパーが、手でボールを扱えるエリアだよ」

ドラリーニョが嘲笑い、右へ飛びのくと同時に、
強化プロレスロボ1号が、
前にかがめた上体を、おこしはじめる

王ドラの道着の襟を両手でつかみ、
右の膝蹴りを、王ドラの顔面に叩き込んだのである。

画像


「クリーンヒット、
これで、フィニッシュだね」

ドラリーニョは、
これで王ドラは倒れて退場すると思った。

この調子で選手どもを退場させてやって、

自分の思い通りに、ゴールを、きめてやって、

試合を、とっとと、おわらせてやろうと思った。

だが、王ドラの意識はとばない。

王ドラの膝は地につかない。

王ドラは倒れない。

(パワーは、やはり、プロレスロボに劣るけど、
クリーンヒットしていたこともあって、
想像以上の攻撃力、

なるほど、スポーツ選手でも、格闘技を知らない素人では、
これで、おわりアル
でも・・・)

「やっぱり、お前達は、カンフー使いを舐めているアル!

攻撃の後には、隙ができやすいことも考慮しないほどに!

なぁ、ジャイチェン!!」

王ドラは、左足で、ボールを左へ、はじく様に、
軽く蹴る。

相手がダウンしていないことに、
ドラリーニョと強化プロレスロボ1号は、驚いた。
その為、すぐさま、行動にうつせなかった。

ボールが、王ドラから、左へ1m程、転がりきると同時に、
ジャイチェンが、ゴールめがけ、ボールを蹴った。

畑違いの人間のシュートにしては、
決してコントロールは悪くない

スピードと勢いも、かなりのものだ。

DF陣とゴールキーパーが、王ドラに、
攻撃をしかけていた為、ゴールは、まさに、
がら空きだった。

ボールは、阻まれることなく、
ゴールネットにささった。

静かな競技場に、
王ドラのチームの先制点を告げる審判のホイッスルが
よく響いた。

「言ったはずアル、お前達は、カンフー使いを
舐めていると」
王ドラは、もとのポジションに戻り始めながら、
ドラリーニョに、ビシッと言ってやった。

「全く、素人相手に、ラフプレーやって、先制点を取られたら、
サッカー選手としては、めちゃくちゃ恥ずかしい結果だな」
ジャイチェンも、試合開始前に、ドラリーニョに
言われたことへの仕返しとばかりに、言ってやった。

ドラリーニョの表情に、余裕と敵への嘲りはない。
試合開始から5分も経っていないのに、

(サッカーの素人にしては、上出来だと思えるぐらい、
サッカーは、できているのだろうが)
実績としては、サッカーの素人と呼べる様な連中に、

まんまと先制点をとられたことへの
ショックと怒りが、あった。

そのショックと怒りのあまり、
ホイッスルを鳴らした審判に、
蹴とばしたい気分だったが、
気分を静めることにした。

ほんの数秒、黙った後、
所定の位置に戻ろうとする強化プロレスロボ1号に
小声で言った。

「FWに通信で伝えろ。
キックオフしてから、すぐに、ボクにパスをしろ
最後の確認をしたい。 確認後、ビッグ・ザ・ドラ様に
お伺いをたてる。 お伺いをたてている間は、
MF陣は、守備に撤して、奴らをボクのところまで
進ませるな」

所定の位置にもどろうとする王ドラにも
ショックは、あった。

親友が自分に殴りかかったことではない。

今の親友は、悪のチップに操られているのだ。
それは、仕方がない。

また、格闘家でもない素人のパンチなど
背後から殴りかかられても、
よけられる自信もあったので、
ショックではない。

ショックだったのは、22世紀の格闘家で、
自他共に認めるトップクラスのスピードをもつ自分が、
あっさりと追いつかれてしまったことである。

王ドラは、学生時代、短距離走で
ドラリーニョに、一度も勝てなかったこともあって、
(ドラリーニョが幼稚で単純だったから
尚更だったかもしれない

また、当人が、
蹴り技が、得意でなかったことも、あったが)

卒業後、カンフーの修行で、スピードもあげることに、
重点を置いていた。

修行の成果もあって、
カンフーのテクニックだけでなく、
スピードも学生時代よりも大幅にあがっていた。

決して公言はしないが、スピードなら、
22世紀の世界のトップクラスの
短距離走の陸上選手でもない限り、
決して、おくれをとることはないだろうと
思っていた。

現在の自分なら、ドラリーニョに、
スピードで互角にわたりあえると思っていた。

だが、あっさりと追いつかれてしまった。

今更ながら、王ドラは、思い知っていた。

当然といえば、当然のことなのだろうが
ドラリーニョも学生時代からスピードが
アップしているのだ。

しかも、自分の想像以上かもしれないことに

(いつまでも、ショックをうけている場合じゃないアル
先制点をいれたとはいえ、気合いをいれないと、
奴等、どんなラフプレーをしかけてくるか)

王ドラは、オフェンシブハーフの位置にもどった。

ドラリーニョチームのキックオフで試合が再開される

FWの強化プロレスロボ10号が、
ドリブルから、ラフプレーの攻撃をしかけるだろう

その様に予測して、ジャイチェンと
王ドラをはじめとするMF陣がみがまえる。

だが、強化プロレスロボ10号は、
ドリブルにはいらず、

ボールをまたぐかの様に、
右足をボールの数cm前の地につけてから、

左足を自分の腰のあたりまであげて、左足の踵で
ボールを蹴り上げた。

強化プロレスロボ10号がボールを蹴った瞬間、
ドラリーニョは、サイドラインの1m程手前
右へ移動する。

また、サイドハーフの強化プロレスロボ8号が、
全速力で、敵陣へ突っ込んでいく。

試合再会直後で、
全くの予想外の敵の行動に、

数秒間、
王ドラチームのメンバーは、わけがわからず、
動きがとれなかった。

その間に、強化プロレスロボ8号は、
ラフプレーをしかけることなく、
ただ、サイドハーフのラオチュウの弟子と
サイドパックの爆発二郎の横を全速力で通り過ぎる。

ボールは、
サイドパックの強化プロレスロボ4号の頭上をこえて、

サイドラインの1m程手前
右へ移動していたドラリーニョの手前に落ちていく

ボールに対するドラリーニョの動きをみて、
サイドハーフのスーチェンは、ドラリーニョの意図を悟った。

「アイツは、ロングシュートを撃つ気だ!
ガードするぞ!」
スーチェンは大声で叫んだ。

「素人達に、ボクのボレーシュートを、
ガードできるものかよ
くらえ! スーパーロングレンジ ボレーシュート!」

ドラリーニョは、
推定だが、少なくとも、ドラメッドⅢ世のいるゴールから
70メートルはある距離からボレーシュートを放った。

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競技場全体に響き渡る様なボールを蹴る音

一瞬だが、大きく変形するボール

ドラリーニョの右足から放たれたボールは、
ミサイルの如く、

フォワードのジャイチェンの左横を通り抜け

王ドラとディフェンシブハーフのラオチュウの弟子の間を
通り抜けた。

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空気抵抗など、存在していないのではないかと
思わせる程、ボールのスピードは落ちない。

そのまま、
センターバックの爆発三郎と爆発四郎の間を通り抜けた。

全くの予想外のスピードに、

5人ともガードどころか、
動けなかった。

ボールは、
真っ直ぐ、ゴールキーパーである
ドラメッドⅢ世のところへ飛んでいく。

しかし、ボールは、
ドラメッドⅢ世の真正面である。

(動かずとも、そのまま、ワガハイが、
フルパワーでしっかりと構えれば、
必ず受け止められる!)

ドラメッドⅢ世は構える。

「ドラメッドⅢ世! 右だ!気をつけろ!」
爆発三郎が叫ぶ。

敵陣の中を突っ走っていた
強化プロレスロボ8号が、
コーナーエリア付近で、右に曲がり、
ペナルティーエリアにはいる

ドラメッドⅢ世の頭部めがけて

ドロップキックを放ったのである。

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