『ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ 番外編』 その22

6月8日

(22)ラフプレーじゃ決着はつけられない

敵陣の中を突っ走っていた
強化プロレスロボ8号が、
コーナーエリア付近で、右に曲がり、
ペナルティーエリアにはいる。

ドラメッドⅢ世の頭部めがけて

ドロップキックを放つ。

うかつに、ドロップキックをかわしてしまえば、
ボールはゴールネットにつきささるだろう。

サッカー選手なら、何が何でも、
ボールをとらねばならないのだろうが、

だからと言って、
ボールをとることを最優先とすれば、
ドロップキックが、まともに頭部に直撃するだろう。

(なかなか、高度なラフプレーであるけど、
ワガハイには、これがある)

ドラメッドⅢ世は、口から風の吐息をだす。

ドラメッドⅢ世が、得意とする風の魔法である。

風の吐息は、
ドラメッドⅢ世の頭部を覆いはじめる。

静寂な競技場に、何かがぶつかる音が響く

強化プロレスロボ8号のドロップキックではなく、
ドラメッドⅢ世が、ボールを受け止めた音だった。

強化プロレスロボ8号のドロップキックは、
ドラメッドⅢ世の頭部覆う風に阻まれて、
頭部にヒットしなかった。

画像


エル・マタドーラのパワーチャージアタックから
ドラえもんを守る為に、のび太が使用した
風の魔法の利用方法と同じだった。

いかなるラフプレーも、ワガハイには通用しないぞと
王ドラ同様、ビシッと強化プロレスロボ8号に

ドラメッドⅢ世も言ってやるつもりだったが、
言えなかった。

強化プロレスロボ8号の表情が気になったからだ。

へぇ、思った通り、やっぱり、防御されるのだな

声に出して言ってはいないが、
強化プロレスロボ8号の表情が、
その様に語っていたからだ。

さらに言えば、ペナルティ エリアの外どころか、
センターラインを超えて、敵陣の中にも入らず、
ゴールから約70メートル前後の距離から放ったはずなのに、

ボールを受け止めた際の衝撃と威力が
想像以上に大きかったからだ。

まるで、至近距離から放たれた大砲の弾でも
受け止めた様な衝撃だった。

(威力は大いにあるが、
ボールが、偶然にも、真っ直ぐに、ワガハイに向かって
飛んで…!?)

ドラメッドⅢ世は、先程の強化プロレスロボ8号の表情を
思い出す。

(わざと、ワガハイが確実に、
とれる様に、シュートしたのか!?
でも、何のためだ?)

ドラメッドⅢ世は、疑念をいだきつつも、ボールを蹴った

ドラメッドⅢ世からのパスをうけた
王ドラは、ドリブルをはじめる。

ドラメッドⅢ世と同じ様に、
攻撃をはじめる王ドラ達も、
未だ衝撃からぬけきれない。

サッカーに関しては、はっきり言って、素人である王ドラ達だが、
プロのサッカーの試合を、全くみたことがないわけではない。

今までみてきたサッカーの試合で、
ペナルティーエリア外からのシュートをする選手はいた

だが、ドラリーニョの様に、
敵陣に、一歩も、はいることなく、シュートをするのは
みたことがなかった。

しかも、そのスピードは、王ドラ達の想像を大きく上回っていた。

ドラリーニョが、
王ドラに追いついてみせたダッシュ同様、
まるで、ミサイルの様なスピードのシュートだ。

(想像以上のシュート・・・)
フォワードの強化プロレスロボ10号が、
たちふさがる様にあらわれる

(だが、いつまでも
その衝撃に、まいっているわけにはいかないアル!)
真面目で堅物の王ドラは、その衝撃をむりやり、振り払う。

「みんな! どんどん攻めるアルヨ!」
未だ衝撃がぬけきれていないであろうメンバー達へ
王ドラは喝をいれる為に、王ドラは声をだす。

そんな王ドラの喝に応えるために、メンバー達は、声をだす。

立ちふさがった強化プロレスロボ10号を、王ドラはかわすが、
ディフェンシブハーフの強化プロレスロボ5号が、
たちふさがる。

強化プロレスロボ5号も、王ドラは、抜こうとするが、
ぬけない。

(あれ? この動きは・・・)
敵の動きに、違和感をおぼえはじめながらも、
王ドラは、自分の右側にいる、ディフェンシブハーフの
ラオチュウの弟子に、パスをしようとする。

だが、王ドラとラオチュウの弟子のスペースをうめるかの様に、

オフェンシブハーフの強化プロレスロボ9号と
もう一人のディフェンシブハーフの
強化プロレスロボ6号が、立ちはだかる。

(これでは、パスができないアル それならば・・・)
違和感をおぼえながらも王ドラは、
サイドハーフのスーチェンにパスをした。

だが、ボールは、敵のサイドハーフである
強化プロレスロボ7号にカットされた。

そのまま、ドリブルに、はいるのかと思いきや、
強化プロレスロボ7号の次の行動は、全くの予想外だった。

強化プロレスロボ7号は、ボールを蹴った。
シュートではない。

まだ、敵陣に、自分のチームのメンバーが

誰も入っていないのに、
ただ単に、ボールを軽く蹴っただけなのである。

自分のチームのメンバーが、
誰も敵陣に、入っていないのだから、

ボールは、まんまとサイドバックの爆発一郎にとられる。

相手の行動の意図が、わからず、
多少は戸惑いながらも、爆発一郎は、
ディフェンシブハーフのラオチュウの弟子にパスをする。

パスをうけたラオチュウの弟子は、ドリブルをしようとするが、
強化プロレスロボ6号が、立ちはだかる。

ラオチュウの弟子は、強化プロレスロボ6号をぬこうとするが、
王ドラの時と同じ様に、ぬけない

そこで、サイドハーフのラオチュウの弟子に、パスしようするが、
サイドバックの強化プロレスロボ3号にカットされる。

しかし、強化プロレスロボ3号も、ドリブルに入らない。
自分のチームのメンバーが誰もいない敵陣へ、
軽くボールを蹴るのみである。

ドラリーニョは、ボレーシュートをした位置から動いていない。
そんな王ドラ達と自分のチームのメンバーとの攻防も、みていない。

ドラリーニョは、上空に浮かぶ超小型偵察機をみていた。

イージーホールのロシアやスペインで行われた闘い、

このイージーホールのブラジルで行われている試合をみるために、
ビッグ・ザ・ドラが放った偵察機である。

(ビッグ・ザ・ドラ様・・・)
ドラリーニョが、偵察機に通信をおくる。

(何だ? ドラリーニョ)
ビッグ・ザ・ドラが、偵察機を介して、通信をおくりかえす。

(これまでの攻防で、よく分かったことなのですが、
ボク達のラフプレーは、奴等を倒すどころか、ほとんど通用しません
どうか、心ゆくまで、サッカーをする許可がほしいのです。)

(何を言うかと思えば、
イタズラ小僧の事後承諾みたいなことを言う)
ビッグ・ザ・ドラは、少量の不機嫌な感じと呆れた感じが
入り混じった様な声で言った。

(サッカーの素人集団相手に、
故国のサッカーのリーグで、名を馳せたお前が、
あんな奇襲まがいのボレーシュートをしておいて、
既に、チームメンバーに、リトリートか、
サッカーのディフェンスなんてさせているのに、
心ゆくまで、サッカーをする許可がほしいとは・・・

別に、奴等に勝つ為に、サッカーが有効ならば、
サッカーをすればよかろう
いちいち、俺に許可を求める必要もないだろう)

(ビッグ・ザ・ドラ様・・・ 
なぜ、奴等にラフプレーが通じないのですか?)
ドラリーニョは、別の質問をする。

(ドラメッドⅢ世は違うが、
他の10人はカンフー使いだ。 
奴等の故国で開かれる中華一番カンフーコンテスト、

カンフーコンテストなんて、
可愛げがある名前の格闘技の大会だが、
飛び道具の使用も許可されている 

決勝戦の王ドラとドラえもん達との闘いの様に、
2対1の闘いも許可されている。 

つまり、通常の格闘技の大会では、
考えられない様なルールの下で、闘って来た奴等だ。 

そんな奴等からすれば、サッカーのラフプレーは許容範囲、

しかも、事前にお前達が使うことを知っていれば、尚更だろう)

突然のドラリーニョの別の質問に、ほんの少しイラッとしたが、
ビッグ・ザ・ドラは答えてやった。

(なるほど、それならば、尚更、ラフプレーではなく、
きちんと、ボク達は、全力で、
思いっきりサッカーをしないといけないですね)

(ああ、そうだな)
ビッグ・ザ・ドラは、わざとらしいとさえ思える
ドラリーニョの言葉に隠れている
真意を、感じ取っていた。

その真意に、イラッとしていたが、
状況を分析すれば、ラフプレーを続けていても、
勝てない可能性が高いことは、
ビッグ・ザ・ドラも確信している。

(でも、お前は、そのサッカーの才能ゆえに、
他のチームだけでなく、自分のチームのメンバー達に、
恐れられて、妬まれた 

その挙句の果てが、
全く身におぼえのない、

選手生命に関わるスキャンダルをでっち上げられて、

22世紀のサッカーの業界から、追いだされ、
このイージーホールに、ながれついた。

それ以来、
お前は、俺の悪のチップによるところも大きいが、
相手を叩きのめすだけのラフプレーヤーになった。
そんな奴が、いきなりの正統派のサッカー選手にもどれるのか?)

つまらない質問だと思いつつも、
ビッグ・ザ・ドラは問わずにはいられなかった。

相手が、どの様に答えるのかは、わかりきっているのに、
ドラリーニョの言葉の裏にかくれた真意と、
その真意が、引き起こすだろう事態に、

つまらない、意味のない質問だったが、
牽制の為に、問わずにはいられなかったのだ。

(大丈夫ですよ ビッグ・ザ・ドラ様、
前半終了までには、ボクは、完全に、
かつての正統派のサッカー選手として復活できますよ)

ビッグ・ザ・ドラの予想通りの答えを、ドラリーニョはだした。

(わかった。 存分に、奴等に、みせてやるといい
ブラジルの若きスーパーストライカーの実力を)
ビッグ・ザ・ドラは、何やら落胆と諦めが入り混じったような感じで
許可してやった。

(ありがとうございます ビッグ・ザ・ドラ様)

前半開始から、7分が経過しようとしていた。

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