『吼えろペン』について その2

8月18日

(3)炎尾 燃の危険な行動 その1

炎尾 燃の同期の売れっ子マンガ家の一人、
流れ星 超一郎(ながれぼし ちょういちろう)

リアリティのある作風に定評のあるマンガ家で、
デッサン力は、炎尾 燃よりも上だ。

そんな流れ星 超一郎の仕事場に、
TV番組「少年マンガチャンピオン決定戦」の企画の一つ
「マンガ家訪問」でTVカメラが、はいることになった。

ちなみに、「マンガ家訪問」とは、
マンガ家の仕事場に訪問して、そのマンガ家の作品の
キャラクターを描いてもらって、描きおわるまでに、
そのキャラクターを解答者に当ててもらうという内容である。

つまり、流れ星 超一郎は出題者ということである。

自分の仕事場に、TVカメラが、はいったということが、
めちゃくちゃ嬉しかったのだろう

流れ星 超一郎は、司会者が、少し唖然とするほど、
威勢がよくテンションが高く、舞い上がっていた。
いや、舞い上がりすぎていたと思う。

何と、流れ星 超一郎は、自分の作品のキャラではなく、
自分が尊敬するマンガ家のキャラをもじったキャラ、
ある意味、紛い物のキャラをTV番組の問題に出したのである。

それをみていた炎尾 燃は、びっくりして、
「こいつは、ここぞという時に危険なことをする奴だ」と思った。

だが、そんなことを思っている
炎尾 燃も、危険なことをしていた。

なぜなら、炎尾 燃は、その流れ星 超一郎の行動を
そのクイズ番組の解答者としてみていたからである。

(もっとも、流れ星 超一郎は、
舞い上がりすぎて、解答者の中に
自分の同期のマンガ家がいることに、
全く気づいていなかったが)

つまり、クイズ番組に参加していたのである。

現役で、しかも、一般人よりも
マンガに深く関わることができるマンガ家が、
少年マンガに関するクイズ番組に参加したのである。

アシスタント達は、炎尾 燃がクイズ番組参加することを
反対していた。

なぜなら、一般人よりも、
はるかに有利な条件で勝負するようなものであるからである。

そんな有利な条件で、クイズ番組に勝利しても、

その勝利は、ある意味シャレではすまされない。

負けてしまっても、シャレにならない。

つまり、勝っても、負けても
メリットなど全くないからである。

だが、炎尾 燃は、TV番組「少年マンガチャンピオン決定戦」に
参加したかった。

アシスタントに反対されたが、予選ぐらいいいかなと思い、
予選に参加して通過した。

勝っても負けても、メリットがなくて、シャレにならないことは、
炎尾 燃も理解していた。 

だが、断るのが下手で、
「おれが、なんとかするしかあるまい!」が口癖の男である

そのまま、解答者として番組に出演したのである。
(もっとも、マンガ家炎尾 燃として出演するのは
さすがに、マズイと思ったのか、
同姓同名のマンガ家がいる書店の店員で出演したが)

炎尾 燃は、決勝戦で敗北した。
しかも、自分のマンガの問題で、間違えるという
正にシャレにならない結果に、おわったのである。

(4)炎尾 燃の危険な行動 その2

炎尾 燃が連載を抱える週刊誌で、
「新人デビュー大賞」が開かれ、
全国から大量の応募作が寄せられた。

編集者達で、大量の応募作から選び出された作品に

マンガ家のアシスタントをしている者達の作品や

(一種の青田買いなのか)
デビュー前だが、担当編集がついている新人達の作品、
俗に言う「シード作品」が、加えられ、

最終審査員であるマンガ家が大賞に該当する作品を
選び出すわけである。

その大賞に関する2つの依頼が、
編集者から炎尾 燃にきた。

大賞の最終審査員をしてほしい依頼
(もっとも最終審査員をしてほしいと
いっても、実質は、名前だけを
使わせて欲しいというものだったが)と

その編集者が担当している新人に大賞をとれるように
指導してほしいというものだった。

新人を預かって、大賞をとれる様に指導する

この依頼が、日頃から
「大丈夫、俺ならできる」と思っているような
熱血マンガ家の魂をゆさぶらないわけがなく、
炎尾 燃は、依頼を引き受けた。

だが、熱血マンガ家の魂をさらに、
大きくゆさぶる事態が起きた。

炎尾 燃以外にも、
新人を預かり、大賞をとれる様に指導するという依頼を
引き受けたマンガ家がいたのだ。

しかも、そのマンガ家とは、
同じ週刊誌で連載を抱えて、互いに、何かと競い合い、
お互い、何が何でも負けられないライバルと認めている
売れっ子マンガ家、富士鷹ジュビロだった。

その事態が、炎尾 燃と富士鷹ジュビロを
マンガ家魂を大きく揺さぶり、
スパークさせすぎた。

その結果、2人とも、
依頼内容など、そっちのけで、
宿敵に負けるわけにはいかないから、自分が預かった新人に
大賞をとらせる為に、行動した。

だが、相手が宿敵なので、
その行動も、大人気なく過激になった

富士鷹ジュビロは、自分で、その新人のネームを改良した。

売れっ子マンガ家が、改良したネームで、新人が、マンガを描く
はっきり言って、反則だった。

だが、炎尾 燃は、その上をいく大人気ない反則技を使った。

当初は、炎尾 燃は、
自分の言うとおりに描くように新人に言っていたが、
それでは、自分の作品ではなくなると、
新人に言われた(ごもっともな意見だが)為、

ペンネームを使って、さらには、変装までして、
新人を装い、自分が大賞に応募した。

新人ではない、売れっ子の現役マンガ家の作品なのだから、
当然、炎尾 燃が、大賞を受賞した。

宿敵が預かった新人に、大賞をとらせない為に、
自分が応募して、大賞をもぎ取った。

大賞の授章式に、変装はしていたにせよ、姿をあらわした
炎尾 燃をみて、編集者達は、唖然とした。

また、大賞は該当作なしになったのは、言うまでもない。

宿敵に負けたくない為とはいえ、一歩間違えれば、
周囲から、顰蹙をかってもおかしくないぐらい危険な行動だった。

Character_56c.jpg
〔↑流れ星 超一郎(左)と富士鷹ジュビロ(右)〕

炎尾 燃の熱きマンガ家魂、
どんな状況でも原稿を完成させる大きな原動力なのだが、
ベクトルを間違うと、危険な行動を平気でとらせる

まさに、諸刃の剣みたいな部分もあると思われる。


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