『吼えろペン』について その3

8月31日

(5)炎尾 燃の執念 前編

炎尾 燃は、抱ええている連載の一つ
「ファイヤープロジェクト」の原稿を完成させ、
担当に渡した。

ちなみに、原稿のサブタイトルは
「地獄銀行(ヘル・バンク)からの脱出!! 前編」

詳細はわからないが、悪の組織に支配された銀行の実態を
暴く為に、正義のチームであるファイヤープロジェクトが
銀行強盗を装い、銀行を襲撃するといった内容である。


Character_56f.jpg
(↑ファイヤープロジェクト)


原稿を完成させて、仕事も、ひと段落したので、
炎尾 燃とアシスタント達は、息抜きを兼ねて
仕事に必要な画材の補給の買い出しにでた。

買出しもおわり、アシスタントの一人が、
振込みで銀行に寄りたいと言ったので
炎尾 燃とアシスタント達は、銀行に寄ることになった。

だが、そこで、想像すらしていない事態が起きた

何と、2人組の銀行強盗が、銀行を襲撃、
しかし、金庫を開けられなかったために、
炎尾 燃をはじめとする客と銀行員達を人質にとり、
一日籠城作戦をとった。

そのうえ、その2人組の銀行強盗は、
「ファイヤープロジェクト」を名乗ったのである。

2人組の銀行強盗は、単純に漫画からネーミングを
取っただけだったのだろうが、

まさに、完成させたばかりで、掲載されていない原稿
「地獄銀行(ヘル・バンク)からの脱出!! 前編」と
同じ展開だった。

人質にとられ、部屋に閉じ込められただけでなく、
銀行強盗に自分のマンガを名乗られた。

もちろん、原稿では、ファイヤープロジェクトは、
銀行強盗を装っているだけで、
実際に銀行強盗をしているわけではない。

だが、雑誌に掲載されれば、
自分のマンガのファンの人間達なら、いざ知らず、

世間は、そんな理解など、しめしてくれない

2人組の銀行強盗は、
自分のマンガに影響されて銀行強盗をした

世間は、自分のマンガ「ファイヤープロジェクト」は、
現実の事件をモデルに描いた痛快活劇だと認識するだろう。

自分のマンガは、確実に、
テレビに取り上げられて、バッシングをくらうだろう

そんな状況になれば、
「地獄銀行(ヘル・バンク)からの脱出!! 後編」など
到底描けない 

それどころか、連載そのものが、
続けられなくなる可能性が、極めて高い。

マンガ家にとって、とても恐ろしい事態だった。

どうにかして、自分のマンガ「ファイヤープロジェクト」を
守らねばならない

現実の事件をモデルに描いた痛快活劇だと
誤って認識されてしまうことを避けねばならない。

ならば、事件中に、
「地獄銀行(ヘル・バンク)からの脱出!! 後編」を
描きあげるしかない。

幸いにも、買いだした画材で、マンガは描ける。

炎尾 燃は、決意した
人質にとられ、閉じ込められている状況下で、
マンガを描くことを

そんな状況下にあるにも関わらず、
ネームを作り上げて、原稿を完成させていく

だが、案の定というべきか、
話を聞いていた銀行員達に、非難をあびせられる

「あの銀行強盗は、アンタのマンガに影響されて、
銀行強盗をしたのか どうしてくれるのだ!?」と

それでも、
炎尾 燃は、その日のうちに、原稿を描きあげた。

「地獄銀行(ヘル・バンク)からの脱出!! 後編」

詳細はわからないが、閉じ込められた状態になりながらも、
翌朝になるのを待ったファイヤープロジェクトは、
悪の組織に支配された銀行から、事前にたてていた作戦通りに、
脱出することができるといった内容らしい

2人組の銀行強盗は、
炎尾 燃のマンガに影響されて
銀行強盗していると認識している

銀行員達は、その内容を知って、翌朝になれば、
自分達は助かるのだと、大いに喜んだ。

翌朝、2人組の銀行強盗は、
「地獄銀行(ヘル・バンク)からの脱出!! 後編」の内容と、
全く同じ行動で、銀行から脱出しようとする。

銀行員達からすれば、自分達は解放されて助かったのだと
大いに喜ぶ事態だが

マンガ家の炎尾 燃にとっては、
喜んでいい事態ではない。

事件中に描いたとしても、
原稿どおりの行動で、

まんまと脱出されて、犯行が成立されてしまえば、

自分の書いた原稿は、
「現実の事件をモデルに描いた犯罪賛歌の不謹慎な原稿」の
烙印をおされ、掲載されないことは確実だ。

自分のマンガを守る為、

自分達で銀行強盗を捕まえることを
炎尾 燃は決意する。

炎尾 燃とアシスタント達の決死の行動により、
銀行強盗は捕まり、事件は解決した。

だが、事件中に描こうが、
自分で銀行強盗を捕まえようが、

世間は、銀行員達と同じ認識をした。

その結果、
事件後、「ファイヤープロジェクト」は、
さんざんTVに取り上げられた。

だが、炎尾 燃とアシスタント達との行動は
決して、無駄にはならなかった。

さんざんTVに取り上げられたが、
「犯罪賛歌の不謹慎なマンガ」という烙印を
おされることは、避けることができたらしく、

炎尾 燃は「ファイヤープロジェクト」の連載を
続けることができた

熱血マンガ家の執念が、作品を守ったのである。

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