『ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ 番外編』 その23

10月3日

(23)超一流の基礎の技術

前半開始から、7分が経過しようとしていた。

王ドラ達は、攻めるが、敵陣がリトリート、
ディフェンスに徹している為、攻めあぐねている。

サッカーの素人集団なりに、
パスやドリブルを駆使して攻めても、

結局は、ドリブルの進路を阻まれ、
パスせざるを得ない状況になる。

しかし、パスをしても、カットされる

その繰り返しが続いている。

(完全にガードされているアル・・・ 
しかも、ラフプレーじゃなくて、正統なサッカーのテクニックで!)

王ドラは、
いや、王ドラだけでなく、チームメンバー達は、
サッカーの素人だが、理解して、認識できていた

敵チームは、ラフプレーのサッカーではなく、
フェアプレーのサッカーに、きりかえていることに、

(まさか、敵チームが、フェアプレーのサッカーをするなんて)
口にこそ出さないが、メンバー全員に、
大きな衝撃とショックがある。

サッカーの素人集団なりに、
試合の展開を想像して、作戦をたてていた。

だが、あくまでも、敵チームが、ラフプレーで攻撃をしかけることに
基づいて、たてていた作戦だ。

敵は、フェアプレーで、絶対に闘わないとチーム全員が、
その様に思っていた。

ましてや、敵のキャプテンであるドラリーニョは、悪のチップで
悪の親玉であるビッグ・ザ・ドラの言いなりに
なっているのだから、尚更だと

だが、敵はフェアプレーで、攻撃をガードしている。

試合前に、たてていた作戦が、
全く意味が成さなくなってきている。

衝撃とショック、
そのうえ、サッカーの素人ゆえの悲しさとでもいうのか、

王ドラ、ドラメッドⅢ世、他のチームメンバー達、

誰もが、全くの想定外の敵の動きに対する打開策が、みいだせず、
いたずらに、攻めあぐねるだけだ。

スーチェンへのジャイチェンのパスをカットした
強化プロレスロボ7号が、左足の踵で、ボールを軽く蹴る

ボールは、背後にいるドラリーニョにわたる。

(さっきから数分間、何も動かなかったけど、ついに動く!?)
王ドラ達、オフェンスのメンバー達は、
さきほどみたドラリーニョの俊足を警戒する。

だが、ドラリーニョは、ハイスピードだが、

さきほどみせた俊足よりも、かなりスピードを落とした
ドリブルで、ジャイチェンとスーチェンの間を
通過しようとする。

ジャイチェンとスーチェンは、
ドラリーニョのドリブルの阻もうとした。
だが、あっさりと、ぬかれた

ドラえもん_28h.jpg

ドラリーニョは、そのまま、センターラインを超えて、

敵陣に入らないで、
王ドラとラオチュウの弟子の間を通過しようとする。

(速いけど、この程度のスピードなら、問題なく対応できる
ショルダーチャージで、バランス崩してボールを奪うアル)
王ドラは、ドラリーニョの肩に自分の肩をぶつけようとする。

だが、ドラリーニョに、あっさりとかわされて、ぬかれてしまう。

(バ、バカな!? この程度のスピードで!? どうしてアル!?)
驚く王ドラとラオチュウの弟子の間を通過して、
さらに後ろにいた、もう1人のラオチュウの弟子をぬいた

わざわざ、自分の陣に進軍していたオフェンス達をぬいてから、
ドラリーニョはセンターラインを超えて敵陣に突入する。

それと同時に、ドラリーニョは、
自分のスピードのギアをトップギアまであげた。

サッカーの強豪国のブラジルで、
磨きに磨きをかけて、大幅にパワーアップした
ドラドラ7で一番の俊足をもつ

ドラリーニョからすれば、ディフェンダーの爆発一門の動きなど、
とてもノロマだろう。

まるで、無人の荒野を進軍するかの様に、

あっさりと、ディフェンダー達の間を通過して、
ペナルティーエリア内に突入して、
ゴールキーパーのドラメッドⅢ世の真正面まできた。

(来るか!! ドラリーニョ!!)
ドラメッドⅢ世は、構える

だが、ドラリーニョは、旋回して、
ドリブルの進路を自分の陣にむける。

全くの予想外の相手の行動に、1秒にも満たない
わずかな時間、動きが止まってしまった
ディフェンダーの爆発一郎と爆発三郎の
間を通り抜けるなど、ドラリーニョには、造作もない

トップスピードでドリブルを続けるドラリーニョは、
自分の陣にもどり、

先程、強化プロレスロボ7号のパスをうけた
位置にもどると、一旦停止する。

「いやぁ~ 久々のドリブルは、とても気分がいいね 
軽いウォーミングアップには、ちょうどいいかな」
ドラリーニョは、王ドラ達に、聞こえる様に、
いや、聞かせる為に、大声で言った。

ジャイチェンのこめかみに、血管がうく。

ラオチュウの下でカンフーを学ぶことで、
多少は、自分を律することができる様になったが、

こんな挑発に、大人しく黙っている様な性格ではない

ドラリーニョは、リフティングをはじめる。

「本格的なウォーミングアップに、つきあってもらおうかな」
リフティングをしながら、ドラリーニョは移動をはじめる。

巧みにリフティングをしながら、移動する為、

当然、先ほどのドリブルに比べて、
スピードは、かなり落ちているはずなのだが

それでも、並の人間の早足の倍近いスピードだ。

ドラリーニョの進行先は、ジャイチェンとスーチェンの間、

先ほどのドリブルと同じく、

今度は、リフティングをしながら、
ジャイチェンとスーチェンの間を通過するつもりだ。

「な、なめやがって! いくら、サッカーの素人でも、
そんなリフティングしながら、ぬかれる程、甘くねぇ!
いくぞ! スーチェン!」

カチンときたジャイチェンとスーチェンは、
ドラリーニョに、突進する。

ジャイチェンは、ショルダーチャージを、

スーチェンは、スライディングタックルをしかける。

だが、ドラリーニョは、ボールを軽くヘディングで、
右前方へ高く上げながら、
ジャイチェンのショルダーチャージを右へかわす。

落下するボールを、胸で受け止めるドラリーニョに、

スーチェンのスライディングタックルが襲いかかる

だが、ドラリーニョは、右足でボールを蹴り上げると同時に、
左足で、前方へジャンプする。

約70メートル前後の距離からシュートは放っても、
ゴールに届く様な脚力である。

軽々とスーチェンを飛び越えるだけでなく、
王ドラの前方、約2メートルの位置に着地すると同時に、
ボールを右足で、キャッチする

「カンフー使いよ、頑張ってボクからボールをとってみなよ」
リフティングしながらドラリーニョは、王ドラを挑発する

王ドラも、カチンときたが、
冷静に自分を律することにする。

(カチンときて、うかつに、スライディングタックルや
ショルダーチャージを使えば、ジャイチェンやスーチェンの様に、
まんまと、ぬかれてしまうアル! 

ここは、奴の体からボールを離れて、ボールが、体に、再び触れるまでの、
1秒そこらしかないけど、わずかな時間を狙って
ボールを奪ってやるアル!

サッカーの素人でも、
カンフーの達人と謳われた王ドラならできるアル!)

だが、王ドラはボールを奪えない。

ドラえもん_30a.jpg

ドラリーニョから、体からボールを離れるタイミングを狙って、
ボールを奪おうとするが、空振りして奪えない。

ボールが、
ドラリーニョの体に、
再び触れようとするタイミングを狙ってボールを奪おうとするが、

先に、ドラリーニョの体がボールに触れてしまい、奪えない。

(どうなっているアル!? 
ボールが奪えないどころか触れることができない!?
ドラリーニョは、何か特殊な技術でも、使っているアルか!?)

(サッカーの素人ゆえの哀しさだな・・・
フェアプレーのサッカーに、きりかえられただけで、
こんなにも、脆いとは・・・)
王ドラの攻撃をリフティングで巧みに捌くドラリーニョをみながら、
ビッグ・ザ・ドラは、自分のヒゲをさわる。

(王ドラは、ドラリーニョは、何かサッカーの特殊な技術を使用して、
自分の攻撃を捌いているのだと思っているのだろうが、ドラリーニョは、
特殊な技術など、使用してリフティングをしていない。

さっきのオフェンス達を、ぬいたドリブルだって、
特殊な技術など使用していない。

上体を起こして周囲を、しっかりとみて、
ボールを常に足の届く範囲において、

前後左右、いつでも、ドリブルの方向を変えやすいように、
ボールを体の中心に置くという

年端のいかぬサッカーチームの子供が学ぶ
ドリブルの基本を忠実に実行して、
オフェンス達の隙間を通過しただけだ

あのリフティングも、特殊な技術じゃない

蹴る場所で、ボールがどの様に動くか

動いて回転するボールを、
どの様に受け止めて、次の動きにつなげるか

すなわち、ボールのコントロールを
自由自在に行えることを体得する為に
年端のいかぬサッカーチームの子供が練習する
リフティングを使用しているだけのことだ)

既に1分経過するが、王ドラはドラリーニョからボールを奪えない

(あのサッカーの素人集団は、思い知るだろうな
ドラリーニョは、何も超一流と言ってもいい脚力や運動神経だけを
頼みにしているわけではない 

それらと同等に、頼みにしているのは、
結果的に、徹底的に磨くことになった
サッカーの基礎技術だということを)

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