『PCエンジンについて Vol.2』(その14)

5月12日

(13)天外魔境Ⅱの敵役達(後編)

前回の記事
『PCエンジンについて Vol.2』(その13)の続きです。

火の勇者達以上に灰汁の強い
キャラもいる根の一族の将軍達、

だが、『天外魔境Ⅱ』には、そんな将軍達よりも、
さらに、灰汁の強い、

いや、もしかしたら、
当時のオーソドックスなRPGの敵役の常識を
くつがえしていたと言えるかもしれない敵役がいる

それが、(当人の言葉をかりて言うなれば、)
天外魔境シリーズ皆勤賞の敵役、マントーである。

PCエンジン_7a.jpg
(↑マントー)

マントーは、もともと根の一族の出身ではない。

もとは、
ジパングの坂東地方で、
勢力をほこっていた邪教集団、大門教の
幹部の一人だった。

そんな組織の幹部である オーソドックスなRPGなら、
たいていは、人々から、忌み嫌われて、恐れられていると
思われる。

しかし、マントーは、忌み嫌われて、恐れられていなかった
その理由は、とても簡単だった。

マントーが、バカだったからである。

そのバカさ加減は、
何というか、単純に頭が弱いとか、
そんなレベルではない

闘い方、言動等、あらゆる面で、
桁外れにバカだったのである。

なぜ、そんなバカが、大門教の幹部になんてなれたのか言うと、

(憶測になるが)
マントーが、そんなバカさ加減を、補って余りあると
思われる強烈な術を持っていたからである。

「馬鹿の術」
マントーにとっては、
まさに、唯一無二の最終兵器である。

PCエンジン_7c.jpg
〔マントーの馬鹿の術(※1)

(※1)「馬鹿の術」と書いて、「うましかのじゅつ」と読む

マントーの代名詞とも呼べる術で、
その名前の通りとでも言うべきか、馬と鹿の大群が、
どこからか、あらわれて相手を、袋叩きにする術

その威力は、そんじょそこらの術なんかよりも、
はるかに強烈である。

ちなみに、今回の記事に掲載した
マントー及び馬鹿の術は、
『天外魔境Ⅲ』のデザインを参考に
描きました


バカだったにせよ、そんな組織の幹部で、
それなりに、栄華をほこっていたのであろうマントー、

しかし、卍丸が根の一族との戦いに突入する3年前、

坂東で、大門教を退けるべく、火の一族のジライアが、
立ち上がる。

ジライアは、
仲間のツナデと共に、大門教の幹部達を次々と退けて、
マントーと対峙する。

マントーからすれば、

火の一族とはいえ、ジライアなんて、
自分に、愚かにも歯向かうクソガキだったはずだった。

何せ、自分には、馬鹿の術があるのだから

しかし、マントーは、そんなクソガキに敗れた。

確かに、馬鹿の術の威力は高いが、
(うろ覚えなので、間違っている可能性もあるが)
一度の戦闘で、何度も使用できるものではない。

つまり、それで、相手を倒せなければ、
マントーは、唯一無二の最終兵器が使えない状態で
闘わなければならない。

だが、マントーはバカだった。 
その唯一無二の最終兵器が、使えない展開など
想定などできない

それどころか、すでに、馬鹿の術が
使えないということすらわかっていないのか
その馬鹿の術を使い続けようとした

使えない武器で、火の勇者達が倒せるわけがなく、
マントーは、敗れ去った。

この敗北は、坂東での
マントーの栄華の終わりであると同時に、

マントーと火の一族及び、その一族の血を受け継ぐ者達との
時や場所等を変えて繰り広げられる
数多の闘いのはじまりでもあった。

ジライアに敗北後、どうにか生き残った
マントーの生きがいは、火の一族の打倒だった。

(詳しい経緯は、いっさい、わからないが)
そんなマントーを、根の一族は拾った。

マントーの馬鹿の術は、
自分達でサポートしてやれば、
大いに使えると思ったのだろう

マントーは、因幡の国と出雲の国の、卍丸達が、必ず
通過せざるを得ない国境に、
「馬鹿の城」という自分の城まで建ててもらった

(もっとも、城を建てるといっても、根の一族だけで
建てるはずもない 支配した人々をこき使って
城の設備や備品等を含めて、建てさせたのだが)

「馬鹿の城」に、卍丸達、火の一族が攻め入った

闘いの開始前、ジライアに敗北してからの3年間、

マントーが、世界的に有名なボクシングの映画の様に、
どれだけの鍛錬を積んだのかを、

わざわざ、プロモーションビデオのごとく放映される

ラスボス以上の破格の待遇とも言えるが、
実際、そんな放映された内容の鍛錬など積んではいない

マントー当人よると、
腕立てと腹筋が、それぞれ10数回、
計算ドリル、1日、1ページという、
小学生の低学年程度のことしかしていない。

また、破格の待遇をうけて、バカゆえに
調子に乗ったのだろうか

坂東地方にいた頃と同様に、
人々に、間の抜けた、はた迷惑なマネをして、
バカにされていた。

つまり、火の一族の打倒を、いきがいにしていようが、
マントーのバカは、3年前の闘いから、
何一つ、改善などしていないのだ。

「馬鹿の城」で、ボクシングの試合のごとく、
マントーと卍丸達の闘いが繰り広げられる

第1ラウンド、卍丸を、
かつて闘ったクソガキことジライアよりも、
年下で、弱そうだと思ったのか、マントーは、
マントーの正攻法で闘った

だが、卍丸も、ジライアに勝るとも劣らない火の勇者である
馬鹿の術が、簡単に効く相手ではない。
3年前の闘いと同様、マントーは敗れる。

しかし、例えバカであろうとなかろうと、
ベクトルさえ問わなければ、生物というのは、
成長して進化し続けるものなのだろう。

第2ラウンド、マントーは、根の一族のサポートにより、

何度でも、馬鹿の術を使える様に、
エネルギー補給装置らしき
ケーブルを繋げて、闘いを挑む。

しかも、卍丸達が、ケーブルの届く範囲外に逃げない様に、
逃げてもいい、俺は弱虫を追いかけない主義だと
マントーは、挑発もする

3年前のマントーには、ない行動だ。

でも、やっぱり、マントーはバカだった。
相手は、15歳の少年でありながらも、

色々と、一筋縄ではいかない連中を、
まとめあげてきた卍丸である
そんな挑発に、簡単にのるはずもなく、とっとと逃げる

マントーは、
本当に逃げる奴があるかと言わんばかりに追いかける 
しかし、そのことで、ケーブルが、引きちぎれてしまう。

その結果、戦いは、第1ラウンドと同じ結末だった。

第3ラウンド、マントーは、エネルギー補給装置を
まるで、掃除機の様な移動式のタイプに
改良してもらって、卍丸達に戦いを挑む。

例え、卍丸達が、逃げても、移動式なので、逃げても
追いかけることができるわけだ。

だが、マントーは、バカである。 
あまりにも弱者を舐めすぎていた。
(もっとも、このことは、根の一族にも言えなくはないが)

そんなバカなマントーだから、考慮すらできないのだろう

マントーみたいな奴の為に、無理矢理かりだされて、
城の建設までさせられた因幡の国の人々が、
どんな形でいいから、マントーに、仕返ししてやろうと
思っていることを、

城の通路の扉が、建設にかりだされて人々の手により、
移動式の補給装置の幅よりも狭く作られていた。

無論、マントーに、そんなことがわかるはずもない。

第2ラウンドと同じ様に、卍丸達が逃げる
マントーが、追いかけるも、
移動式の補給装置が、扉にひっかかる

そんなことを、お構いなしに、
マントーは追いかけようとするので、ケーブルがひきちぎれ、
闘いの結末は、マントーの敗北におわる

だが、3度負けても、
マントーのファイティングスピリッツは、萎えることはない。

第4ラウンド、
マントーは、(当人の言葉をかりと、言うと)
ランドセルを前にしている様なデザインのスーツ型の
補給装置を、身につけて、卍丸達に闘いを挑む。

だが、建設にかりだされて人々の手により、
スーツ型の補給装置の配線等が、逆に接続されていた。

もちろん、マントーが、そんなことに、気づくはずもない

ランドセルを前にして
ふざけている小学生だと思うと、ケガをするぜ

マントーは、卍丸達に啖呵をきる。

だが、配線等が、逆に接続されていることが原因で、
馬鹿の術を使用した途端、
スーツが爆発するというコントの様な展開で、
マントーは敗北する

第5ラウンド、マントーは
エレベーターで登場して、卍丸達に闘いを挑もうとする

だが、建設にかりだされて人々の手により、
そのエレベーターは、使えば、途中でひっかかって
昇ることも降りることもできない様に作られていた。

もちろん、マントーが、そんなことに、気づくはずもない

マントーは、途中でひっかかってしまった
エレベーターから降りることができないと泣いてしまった。
これで、闘いは、卍丸達の勝利におわったのだ。

さて、RPGのボスキャラと言えば、中ボス、ラスボス等、
(古今東西とでも、言うべきか)
たいていは、人々に恐れられ、忌み嫌われて、

(程度の差はあるにせよ)それなりに威厳があって、
戦闘力も、雑魚キャラとは違う強さを持っているのが、

いわゆる、ひとつのセオリーだと思う。

『天外魔境』で、
マントーは、そんなセオリーを、いい意味で、打ち破っていた。

さらに、『天外魔境Ⅱ』で、
マントーは、そんなセオリーを、いい意味で、打ち破るだけでなく、

(上手く言えないが)
新たなRPGのボスのスタイルの可能性みたいなものを
作り上げていたともいえるかもしれない

その様に、考えてみると、マントーは、
「偉大なるバカ」とも言えるかもしれない

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