『週刊ヤングジャンプについて』(その10)

6月7日

押忍!! 空手部(その7)

(12)大阪魂として (最大の恩師との闘い 後編)

神雷が告げたタイムリミット、
日にちとしては、10日かそこら、
その日数で、高木は太極拳を身につけると、

高木は、松下、斉藤、桃千代に言った。

神雷や龍虎兄弟でも、太極拳を身につけるのに、
少なくとも、10日以上の日数を要したのだろう。

また、父親である黄 天昇に
「太極拳の生きた手本」と謳われた流雲でさえも、
10日そこらで、太極拳を身につけたわけではないだろう。

それらのことを考えてみると、無茶で、身の程知らない挑戦だと
言われても、仕方がないことなのかもしれない。

だが、この高木 義志は、やはり、一味違った。

何と、太極拳の最終秘伝以外の極意を、
わずか1日でマスターしたのである。

さて、8人の猛者達と共に、
神雷の潜伏先を、つき止めて、殴り込みに来た森上、

しかし、神雷のチームは、戦力的に何ら支障はないのだ。 
兵隊達及び四鬼神を、9人全員で、

いちいち、相手をしていたら、
神雷にたどり着くまでに力尽きてしまう。

そこで、
佐川、飯村、外川、北村、篠崎の

5人で、足止めを兼ねて、100人の兵隊達の相手をした。

さらに、忌羅、十字郎、力山の
3人で、足止めを兼ねて四鬼神の相手をした。

8人の仲間達に、足止めをしてもらった
森上は、神雷にたどり着く。

2年半の時を経て、2人は再戦する。

もはや、偉大な先輩は、偉大な先輩でない
そんな偉大な先輩を止める為に、
森上は拳に一切の情けはかけなかった。

しかし、神雷には、
2年半という時間を費やして、身につけた太極拳があった。

しかも、空手の要素を加味させているので、
神雷の太極拳は、龍虎兄弟の太極拳とは似て非なるものだった。

太極拳の使い手とは、初めて闘うわけではないのに、
森上の拳は、巧みに神雷に捌かれ、森上は稲妻の拳を
叩き込まれていた

神雷の実力は、森上を凌駕していた。

しかし、足止めしてくれた仲間達の為にも、
森上は倒れて、負けるわけにはいかなかった。

佐川達、5人は、100人の兵隊達相手に果敢に闘った。

しかし、ケガが完治していない状態で、100人相手に
闘うには、大阪の有数の猛者といえども、無理があった。
佐川達、5人は倒れた。 忌羅、十字郎、力山、3人のケガも
完治していない

それでも、3人の実力は、四鬼神の個々の実力を上回っていた。
しかし、四鬼神の連携に対抗しきれずに、倒れた。

森上も、実力を上回れても、
持ち前の気力を振り絞って闘い、
右の正拳で、神雷の右胸のあばら骨を
折ったものの、力尽きた。

2年半前、何をやっても、
男として、やってはいけないことをしてさえも、
超えることができなかった
相手を超えることができた。

神雷は大いに喜ぶ
しかし、同時に、2年半の間、

敗北感に苛まれ、怒り苦しんだことを
思い出したのだろう。

既に、力尽きて、意識のない森上を怒りにまかせて、
思いっきり殴って、無理やり起こして、胸倉をつかんで、
壁に叩き付けた。

そのことで、多少は落ち着いた神雷、
だが、まるで、そのタイミングでも狙ったかのように、
部屋の中に、煙が、たちこめはじめた。 

あっという間に煙が部屋の中に、充満する
その煙の中から、サングラスと布で顔を隠した4人組があらわれる。

あらわれた4人組は、「神戸の三本柱」だった。
森上達を、すみやかに助ける為に駆けつけたのだ。
ちなみに神雷のいる部屋に、充満している煙は、殺虫剤の煙だ。

「神戸の三本柱」は、森上と8人の猛者達を助け出して、
アジトから去ろうとする。

神雷、四鬼神、兵隊達は、
追いかけようとするが、
アジト中に設置された殺虫剤の煙の為に、

すぐに、追いかけることができない。

それでも、どうにかして、神雷達が、アジトからでた時には、
「神戸の三本柱」は、車で脱出していた。

追いかけることはできなかったものの、
神雷は、車のバックナンバーを確認していた。

車のバックナンバーを確認されたが、「神戸の三本柱」は、
それどころではなかっただろう。

助け出した9人、とりわけ森上の容態はひどかった。
もはや、虫の息も同然だった。 一刻も早く病院に
担ぎ込まねばならなかった。

病院に担ぎ込まれた森上はすぐさま、
手術をうけるが、心肺停止状態だった。

森上と8人の仲間達が、
神雷に返り討ちにあったことを知らない
高木は、太極拳の最終秘伝「発勁(※1)」を
マスターすることに、苦戦中だった。

(※1)うろ覚えで、上手く言えないが、確か、脚の力を、
腰と腕のねじりを以って、倍加させつつ、
拳に渦巻のごとく集約させた「力」を相手に叩き込む技らしい

だが、拳に集約させた「力」の、
コントロールは、とても難しく、
慣れないと、自分の意思に関係なく、狙いが外れることもある。

また、集約させて「力」を叩き込む、

そのわずかな間、

完全な無防備な状態になるので、威力の少ない技でも、
カウンターできまれば、大きなダメージを被ることもある


他の極意の様に、1日でマスターできる内容ではなかった。
あまりの難しさに、ふて寝してしまうほどだった。

高木、また、練習をさぼっているな

そんな高木の背後から、よく聞き覚えのある声が聞こえた。

思わず、高木は起き上がり、振り返る。

森上だった。 心肺停止状態になっているはずの森上が、
高木の前に立っている。

神雷のチームに殴り込みに行ったはずなのに、平然と
立っている森上に、高木も、まさかと思わないでもない

森上は、高木に強く頼んだ
神雷さんを止めてくれ 

神雷さんだけは、このままにしておけないからと

森上にとって、袂を別っても、

神雷は偉大なる先輩、
しかし、そんな偉大なる先輩を
変えてしまったのは他ならない自分だ

だからこそ、心肺停止になっても、魂で、

高木に伝えて
神雷のことを高木に託したかったのかもしれない。

森上の頼みを聞いた高木は、森上に言った

頼みを聞く代わりに、死なないでほしいと、

再び、発勁を習得する為の修行を
始める高木の姿を確認した森上は、
一陣の風と共に、姿を消した。

その後、高木は、桃千代より、

森上は、心肺停止になったが、
手術の結果、一命をとりとめたことを聞いた。

高木が、発勁を習得することに、苦戦しようとしまいが、
時間は確実に過ぎる

神雷が高木に告げたタイムリミットは、どんどん近づいていく

その間、神雷は乙生のもとを訪ねていた。

当然のごとく、乙生の態度は冷たいが、
神雷は、その態度が、みせかけであることもわかっていた。

だからこそ、再会時の疑問を乙生にぶつけた。
なぜ、自分を止めなかったのか なぜ、自分を煽ったのかと

その神雷の疑問に、乙生は答えることはできない。

いや、今の神雷には、
答えたくないと言ったほうが正しいのかもしれない 乙生は、
涙を流して、あんたなんか、大嫌いだと叫んだ。

しかし、そんな乙生の抵抗も無駄におわった。

神雷が、赤ん坊の泣き声を聞いたからだ。
それで神雷は、全てを悟った。

神雷は、高らかに笑いながら乙生に言った。
お前も女だったわけか 手篭めにされた男の子供を産んでいるとはと

もはや、乙生には、泣きながら、なぜ、そっとしてくれないの
なぜ、森上だけをみさせてくれないのと言うことしかできなかった。

タイムリミットまで、あとわずかとせまる。
しかし、高木は発勁を習得できていない。

高木が、神戸にいることをつきとめた
神雷は肋骨のケガは、完治していないが、

神戸に進攻することを決意する。

そのことを知った「神戸の三本柱」は、
高木の為に迎撃にでる。

チームを巧みに分散させることで、警察の追跡を巧みに
かわしながら、神雷は、神戸に進攻する。

だが、地の利は、「神戸の三本柱」にある。

自分達のチームに、神雷が分散させたチームのメンバーを
待ち伏せさせて、足止めをさせる
その間に、自分達は、神雷を襲撃して討ち取る作戦に出た。

作戦通り、「神戸の三本柱」は、神雷を包囲することができた。

しかし、4対1の状況にも関わらず、
ケガが完治していないにも関わらず、
神雷は余裕だった。

神雷の余裕は、決してハッタリの類ではなかった。
その強さは、「神戸の三本柱」を圧倒した。

かつて、高木でも正攻法で破るのが難しかった
リックのディフェンスを、

神雷は正攻法で、いとも簡単に破り、発勁で倒した。

かつて、高木でも、みきるのに、
それなりに時間を要した末永の攻撃を、
神雷は、いとも簡単にみきり、発勁で倒した。

まさに、「神戸の三本柱」の最後の砦となった龍虎兄弟、

かつて、高木と森上を苦戦させた太極拳で立ち向かうが、
神雷には、全く、歯がたたなかった。

それでも、窮鼠、猫を噛むがごとく、
神雷に一撃をくわえるも、それまでだった。

足止めさせていた神雷のチームのメンバーが合流、龍虎兄弟も
神雷の発勁に散った。

だが、彼等の行動は、決して無駄におわらなかった。

高木が、発勁をマスターして現場に
駆けつけてくれたのである。

高木は、かつての弟子ではなく、大阪魂として、
倒れた森上達、時間をかせいでくれた
「神戸の三本柱」の為に、血に飢えた狼と化して、
神雷達に闘いを挑む

高木は100人の兵隊達を一蹴、 四鬼神の
連携に苦戦して、わき腹を負傷するも、

マスターした太極拳を駆使して、四鬼神を撃破する

ついに、高木は、最大の恩師と対峙する。

何らかの予兆なのかどうかはわからない、

現場の風が、どんどん強くなっていく。 

そんな現場に、流雲は、対決を止める為に、
向かっていた。

高木の修行の跡から、高木の発勁の威力が、

自分の想像以上で、下手をすれば死人をだしかねないほどの
威力だったからだ。

神雷は、闘いがはじまる直前、妙な因果を感じ取っていた

自分が望んで止まない大阪のトップにいる
この男は、かつて、泣き虫で甘ちゃんだったが、
自分が男とみこんで弟子にした男だ

数年の時を経て、そんな弟子が、
自分を倒さんとしている 因果なものだと

2人の闘いが、はじまった。

いくら、10日かそこらで、マスターすることができても、
高木の太極拳は、発勁を含めて、「覚えたて」なのだ。

やはり、技では、神雷に、一日の長があった。

高木は、「覚えたて」の発勁を繰り出すが、

神雷を、まともに捉えることができず、

「神戸の三本柱」同様、高木も、神雷の発勁をくらう

しかし、神雷も、
肋骨のケガの影響もあってか、発勁の威力が落ちていた。

何とか立ち上がることができた高木は、発勁を繰り出そうとする。

神雷も万全の状態でなくても、
自分のプライドをかけて、発勁を繰り出そうとする

だが、そこに現場に到着した流雲が、2人の間に入った
これ以上の闘いをする必要はない、
もはや、神雷、お前に勝ちはないと、

当然のごとく、
神雷は、納得できない 流雲が邪魔さえしなければと言うが、
即座に流雲に、お前が死んでいただろうと言われる

神雷に、流雲は、死人すら出しかねない高木の発勁の威力を説く

もっとも威力を説かれても、
神雷は、負けを認めることなどできない。

それは、闘いの推移が、2年半前の森上との闘いに
似てきたからかもしれない。

2年半前、森上に情けをかけられ、
しかも、森上に恩義があった取り巻き達に、

森上のほうが、正しいといわれ、闘いを途中で止められた。

ある意味、単純に、はっきりと負けるよりも、
はるかに性質の悪い敗北感を味わうことになった。

いくら修行して強くなろうが、
そんな敗北感を何度も味わいたくない

神雷は、激昂する。
俺が、高木に、負けるはずがないと

しかし、流雲に一喝される
高木の発勁が、きまれば、お前の命はなかった 
今、生きていることを神に感謝しろと

高木に、流雲は説く 
勝負はついている 拳法で人を殺すなと

だが、神雷は、そんな流雲の背後から発勁を繰り出す

倒れる流雲の姿に、
高木は、大阪魂として発勁で神雷に止めをさす決意する

2人の発勁が、同時に繰り出された。 土壇場で
高木は神雷の発勁をかわす、

高木の「覚えたて」の発勁が、ついに、神雷を捉えた。

高木の発勁の威力の前に
神雷は、大ダメージをうけて倒れたが、
立ち上がる。

だが、高木は構えない 
もはや、神雷には、闘う力はないことはわかっているからだ。

立ち上がるも、再び倒れ込む神雷を高木はささえる。

自分に情けをかけるなと神雷は高木にエルボーをくりだしつつ、
再び、立ち上がるが、

もはや、高木にとっては、そのエルボーは、何の威力もない。

そんな最大の恩師の姿に、弟子は言う

その様に、ピリピリして何になる
人を超えたい、人に愛されたいといった思いが、
どれだけのことがあるのかと

それらの思いの為に、
人を傷つけ、心にもないことをするのは

言い続ける高木に、
神雷は、向かっていくが、すぐに、再び、倒れ込む

高木は、涙を流しながら、
そんな最大の恩師をささえながら言った 

辛いだけだと

弟子の「人を呼ぶ拳」と涙が、

最大の恩師の頑な心を溶かして諌めたのだろう

神雷は、涙を流した。 
自分をささえてくれた弟子の腕を掴んだ同時に、力尽きた。

かつて、最大の恩師が自分に、
自由に生きられることを願ってくれた様に、

数年の時を経て、
その弟子が、最大の恩師に願いつつ言った。

もっと自由に生きようと

力尽きて、意識がないはずなのに、神雷は笑っていた。
その笑顔は、森上が、よく知っている
偉大なる先輩の笑顔だった。

この闘い(※2)の後、

森上と乙生の願いが叶ったとてもいうべきなのだろうか
神雷は、一命をとりとめることができた

体の傷が治り、
回復した後、少年院におくられることになった。

(※2)高木に撃破されることで、
高木の「人を呼ぶ拳」に触れた四鬼神は、
(色々と紆余曲折があったのだろうが) 

約16年後、強面は相変わらずだが、
普通のサラリーマンとなった


このことを知った高木は森上に尋ねた

これで、よかったのかと

しかし、森上も、よかったなんて断定できない。

森上は高木に言った。

所詮、自分達はガキだ 裁きは大人にまかせるしかないと

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