『ルイージに歴史あり 外伝』その20

6月29日

第3章 〔スーパーマリオランド編〕

(15)倒れていく同胞達!

キング・トドメスを撃破したマリオが、
次に進軍するのはサラサ・ランドのミューダ王国、

おそらく水路を利用して、進軍するだろう

俺は、ロケトン3号に、
ミューダ王国のマリオが進軍するだろうルートの

いくつかの要所に、偵察用のカメラを、設置させた。

残りのロケトン達を、デイジー姫と最初に対面した
バルコニーに集める。

「タタンガ様、大丈夫です いかに超人でも、地上と違い
水中では、容易く、その能力を発揮できません」

俺の戦慄きを察知してくれたロケトン1号が、励ます。

確かに、いかに、スピードのある格闘技の選手でも、
水中では、そのスピードは半減するはずだ。

また、いかに、パワーのある格闘技の選手でも、
水中では、そのパワーも、十分には活かせないはずだ

それに、マリオの進軍するルートには、
ドラゴンザマスをはじめとする
水棲生物型の兵士が配備されている。

常識で考えれば、
少なくとも、水中では、奴等が有利のはずだ。

頭では、その様に理解することができても、
どうしても不安だったのだ。

何せ、キノコを食えば、1秒足らずで、

体が、ひとまわり大きくなるという
生物の常識を超えた奴だ

あのマリオに、
そんな常識など通用しない気がしてならなかった。

もしかしたら、キング・トドメス同様、
ドラゴンザマス達を、あっさりと撃破して
進軍することもある。

それならば、何としてマリオの動きを把握する等をして、

何が何でも、打倒の策を思いつかないといけない。
さもなければ、俺に勝利はない。

だから、偵察用のカメラを設置した。

「タタンガ様、どうやらマリオは
小型潜水艇で進軍するみたいです」

ロケトン3号の報告をうけて、
俺は、偵察用のカメラの映像をみる。

マリオは、一人乗りの小型潜水艇に乗っていた
自分の故郷の軍の潜水艇に比べれば、

いかにも、たいしたことのなさそうな潜水艇だった

「操縦するのが超人でも、
所詮は科学力の低い奴等の潜水艇です 
軍の潜水艇より、自在に動き回れるはずがありません 

水中での有利を利用して、数で戦えば、勝利します」

ロケトン2号が、力強く言った。

確かに、その通りだ。
地球の科学力は低いのだ。 

地球の携帯電話といえば、
ショルダーバックに電話の受話器を
つなげた様なものを言うのだ。

いかに、超人でも、
科学力の低さはくつがえせるはずがないのだ。

俺は、不安を取り除いて、カメラの映像をみる。

だが、すぐに、そんな考え自体が、
甘すぎたことを認識させられた。

超人の乗り物も、科学の常識を超越していた。

マリオの潜水艇、

マリンポップ号(潜水艇の名前は、この戦いの後で知った)は、
機動力が、軍の潜水艇の比ではない程、高かった。

まさに、水中の負荷の束縛を一切、うけつけずに、
水中を自由自在に動いて、
兵士達を次々と魚雷で撃破した。

小型潜水艇のはずなのだが、俺には、
水中で敵などいない大魚の様にみえた。

そんな大魚の前では、
ドラゴンザマスや不死身の生物であるタマオーなど、
取るに足らない雑魚だった。

あっさりと、マリンポップ号の魚雷で、
ドラゴンザマスは撃破された。

(何なのだ あの潜水艇の機動力は!?)
俺の戦慄きが、一層強くなる

(あの潜水艇の機動力の前では、軍の潜水艇を
いくら集めたところで、

かすり傷ひとつ、つけることもできずに
撃墜されてしまうぞ!)

俺は戦慄き、マリオに戦いを挑んだことを後悔しはじめていた。
だが、戦いを挑んだ以上、後悔だけをするわけにはいかない。

何としても、マリオ打倒の策を思いつかないといけない。

次のマリオの進軍のルートは、イーストン王国だ。
正直、あのヒョイホイでは、マリオに勝てるわけがない。

俺は、ヒョイホイに、時間稼ぎをさせることにした。
マリオと戦うことになった場合、
防御に徹することにさせた。

防御に徹していた為、キング・トドメスよりは、
マリオのスーパーボールに耐えることはできた

だが、実力では、マリオが圧倒的に上なのだ

相手の防御の隙間をねらって、スーパーボールを
的確にあてることなど、マリオには、造作もなかった。

マリオのスーパーボール.jpg

ヒョイホイも、キング・トドメス同様に、
マリオのスーパーボールで倒れた

だが、そんなヒョイホイにさせた時間稼ぎは、
何の効果もなかった。

俺と7体のロケトン達で、
何か策はないのかと考えてみたが、

何の策も思い浮かばなかったのだ。

間もなく、マリオは、この城があるチャイ王国に進軍する。
さらに、偵察に出させたロケトン3号によると、
マリオは、空路で進軍するとのことだった。

空路の進軍、つまりは、飛行機を使用するということだ
あのマリンポップ号のことを考えると、

奴の使用する飛行機も
俺達の科学の常識を超えているのは、
まず、間違いはないだろう

敵は、まだまだ底がみえない実力者、
そのうえ、そいつが、使用する乗り物は、

科学の常識を超えた
オーバーテクノロジーの産物みたいなものとくる。

何の打開策もない。 
このままでは、この地球で、

こんな科学力の低い辺境の地で、戦死することは、間違いない。

自分の戦慄きが強くなる 
寒冷地にいるわけでもないのに、寒気で、
ぶっ倒れそうな気分になる

(い、一刻も早く故郷の星に帰りたい!!)
突然、まるで、強い電流の様に、
そんな思いが俺の脳裏にうかぶ。

「我々が、時間をかせぎますので、
タタンガ様は、お逃げください」

ロケトン1号が、静かに言った

俺は、何も言わない いや、何も言えない

ロケトン1号の言う通りだ 
敵に対する打倒の策が
思いつかなければ、逃げるのが、ベストだ。

マリオの戦闘力を推察すれば、
ロケトン達に時間かせぎをしてもらうほうが、より確実だ。

しかし、古今東西、敗軍の将を逃がす為の
配下の時間かせぎは、
大抵は、命を落とす危険性が極めて高いのだ

いや、ロケトン達は、
俺が作ったロボットなので、「命を落とす」なんて
表現をすること自体おかしい

別に、ロケトン達が、マリオに撃破されても、
そのデータは、あらかじめ保存している それを用いて、
代わりを作れることも造作もないはずだ。

普通に、すぐに、「では、時間稼ぎしろ」と
言えばいいだけなのに、

俺は、自分でも、わからないが、
なぜか、何も言えない。

「タタンガ様、ご安心ください。 十分な数ではないですが、
念の為に、持ってきたチカコ(※1)を全て使用します。 
時間かせぎは、確実に遂行できます」
ロケトン2号が言った。

(※1)スーパーマリオランドにでてくる敵の一つ、
その名の通りとでもいうべきなのか、チカチカ、ひかりながら、
空中にうかぶ(まぁ、シューティングで、ありがちな
攻撃はしないが、移動と防御力で
プレイヤーの進路を阻む敵みたいなものか) 

しかも、バリアをはっているらしいので、
頑丈さは、(ボスクラスの敵を除けばだが)トップクラスだと
思われる


「確かに、俺が開発した、チカコを使用しながら、戦えば、
時間かせぎは、確実にできて、お前達が、撃破される確率は、
大幅に下がるはずだな」
俺は、うなずいた。

しかし、うなずいても、
自分の声が、何か歯切れの悪い様に感じられた。

おそらく、心の底では、全然、信じていないのだろう。

「では、俺は退却の準備にはいる 後は頼むぞ」
その場を後にする7体のロケトン達に向かって言っている
自分のセリフも、何か歯切れの悪い様に感じられた

俺は、頭ではわかっていても、心では悔いているのだろう
配下に生きて帰る確率などない

特攻まがいの時間かせぎをさせて、
自分だけは、おめおめと逃げ帰ることに、

俺は、戦闘ロボ パゴスのところへ行った。
とっとと、戦闘ロボを起動させて、逃げればいいはずなのに、
それができない。 

俺は、端末を
取り出して、偵察にだしたロケトン3号に内蔵されている
ロケトンの記録装置である「レコーダー」につなげる。

この操作は、普通の偵察カメラで、
撮りにくい場所を撮る場合等に、

ロケトン達に、遠隔操作の高性能カメラの
役割をしてもらう為に、よく使う、
手慣れた操作のはずだ。

しかし、今の「この操作」は、手慣れた感じがしなかった。
手が震えている 

また、「この操作」などせずに、
とっとと逃げるべきなのに、何かに命じられた様に、
それができない。

何かに命じられた様に、「この操作」をした

端末に、チャイ王国の青空の映像が映し出される

雲が、静かに広がっている青空に、
マリオと、

マリオ当人が、大空で向かうところ、敵なしと豪語する
スカイポップ号(潜水艇同様、
飛行機の名前とマリオが豪語した内容は
この戦いの後に知った)があらわれる。

マリオとロケトン達の空中戦が始まった。

ロケトン達は、マリオの攻撃に対する牽制と防御の為に、
チカコを全て使用する。

相手が、俺の故郷の軍隊なら、高い確率で勝利できただろう。

だが、マリンポップ号と同じく、
スカイポップ号の機動力も生半可なものではなかった。

かつて、苦戦の末、
どうにか倒した
フォーム・アーミーのクイックの変形ロボの機動力すら
大きく上回っていた。

何というか、上手く言えないが、
重力の束縛みたいなものを、一切、うけつけずに、
自由自在に大空を動いている様な機動力だった。

いや、スカイポップ号の機動力だけではない。 

パイロットであるマリオの能力、

相手の動きを、わずかな時間で把握する、
いわゆる「みきる力」の高さ

相手を補足して撃つ正確性、

あのクイックの比ではなかった。

そんな並外れた飛行機とパイロットの
コラボレーションをもってすれば、チカコの

ディフェンスの隙を狙って、ロケトン達にミサイルを放つなど
造作もなかった。

ロケトン撃墜.jpg

ロケトン3号以外の7体のロケトン達が次々と撃破され、
機体と共に、散っていく

ロケトン達は、ロボット、つまりは、機械だ、マシーンだ

マシーンだから、危険信号を発することはあっても、

散り際は、
映画やマンガの様に、セリフなど、のこして散らない

ただ、爆発して散っていく以外になかった

端末の画面に、あっという間に、爆発の炎が、ひろがり、
映像が、フッと切れた 

ロケトン3号も、撃墜された ロケトン達は全滅したのだ。

俺の思考が、真っ白になった。

一刻も早く故郷の星に帰りたい!!

真っ白になった俺の脳裏に、再び、その言葉が浮かんだ。

それと同時に、俺の心に怒りと悲しみが沸き上がった。

「違う!! 俺に故郷などない」
俺は、あらん限りの大声を出した。

「たかが、補給部隊の人間というだけで、蔑まれ、
まともな人生も望めない星の何が故郷か!!

才能ある強者の、さじ加減に塵芥の様に、翻弄されて

自分の作った友達に、
寄りかからねばならない、非合法の手段でしか、出世できない

そんな星の何が故郷か!!」

俺は、涙を流した。

「もはや、自分の作った友達であるロケトン達はいない!!
俺も、これまでだろう! だが、最後は!!」

俺は、戦闘ロボ パゴスを起動させる

「最後だけは、あんな突撃部隊のアホどもの様に、

弱者を捨て石にして退却する様なマネだけはしない!! 

あのマリオに、一矢を報いてやる!!」

俺は、戦闘ロボ パゴスを発進させた。


-(16)チャイ王国の空に散る!?に続く-

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