『吼えろペン』について その1

8月14日


(1)はじめに

『吼えろペン』

島本 和彦先生が作者であるマンガで

炎尾 燃(ホノオ モユル)シリーズの
第二弾(になるのかな?)のマンガでもある。

主人公は、『燃えよペン』と同じく
炎尾 燃で、相変わらず熱血マンガ家であるが、

『燃えよペン』と比べて、
人間的に、とても穏やかになっていて、
アシスタント相手に、よく詭弁を使うなど
ある意味、強かになっている。

だが、その穏やかさと強かさに反比例でもするかのごとく、
弱さもパワーアップしていて、
より人間臭いマンガ家になっていると思う。

そんな人間臭い熱血マンガ家
炎尾 燃が主人公の『吼えろペン』について、
数回の記事にわけて述べてみたいと思う。

(2)炎尾 燃の安請け合い


炎尾 燃は、
数本の月間の連載を抱える
(後に週刊の連載も抱えることになるが)
マンガ家なのだから、
ある程度仕事は選べる地位にあるはずなのに、

コメントつきのイラストの作成
デザイナー養成学校の講師等、

色々な仕事を依頼されては、引き受ける。

しかも、普通ならば、自分が抱えている連載の期日に注意する、

或いは、自分が、
必ずしもしなければならない仕事かどうか判断して、
引き受けると思われるのだが、

炎尾 燃は、そんな注意や判断をしないで、安請け合いで
色々な仕事を引き受ける。

その結果、
自分の抱えている連載の原稿が
スケジュール通りに、完成していないだけでなく、

依頼された仕事が、何一つ、完成していないこともあった。

Character_56a.jpg

そんなことは、何度かあったのだと思われるが、

それでも、
炎尾 燃は、安請け合いで、色々な仕事を引き受ける

その理由としては、アシスタントの言葉等から察するに、

(どうも、頼まれたらイヤだと言いにくい
性格なのか)本人が、断るのが下手だということもある

また、依頼された時は、「大丈夫、俺ならできる」と思って
引き受けるらしい。

だが、本人が、その様に思うのも、ある意味無理はないと思う。

熱血マンガ家としての魂と気迫で、
ファインプレーをして、逆転勝利をするスポーツ選手のごとく、

炎尾 燃は、スケジュール的に、
どんなに、せっぱつまった状況でも、
依頼された仕事をこなして、原稿を完成させてきたからである。

当人も、仕事を考えて引き受けようと思うときもあったが、
やっぱり、どんな状況でも原稿を完成させてきたからなのか

その様に、思っても、「大丈夫、俺ならできる」と思って
仕事を安請け合いで引き受けて後悔する場合があった。

余談になるが、
炎尾 燃が、どんな状況でも、依頼された仕事をこなして、
原稿を完成させてきたことはアシスタント達だけでなく、
編集者達も認識しているのだと思う。

それゆえに、編集者達は、炎尾 燃に依頼するのだが、
中には、連載を抱えているマンガ家に頼んで大丈夫なのかと
思う様な依頼もあった。

炎尾 燃が連載を抱えている月刊の少年誌が、
創刊15周年企画として、
アイドルにマンガを連載させる企画をたてた。
(売り出し中のアイドルにマンガを連載させることで
客層をひろげていく魂胆があったのだと思われる)

だが、連載するのはマンガ家ではなく、アイドルである。
当然、マンガの描き方なんて、何一つ知らない。

そこで、その月刊の少年誌の編集者は、

そのアイドルに、マンガを描く力をつけさせることを
炎尾 燃に依頼してきた。

マンガの描き方なんて、何一つ知らない、
しかも、そのアイドルは、別にマンガ家になりたいわけでもない
その連載で、描きたいことが、あるわけでもなかった。

そんなアイドルに、マンガを描く力を、つけさせてくれなんて、
とても難しく面倒な仕事である

しかも、編集者が、その難しく面倒な仕事を引き受ける自分のことを
考慮して連載の期日の調整をしてくれるわけでもないから
自分の抱えている連載に悪影響がでることは確実だ。

炎尾 燃は、当然、断るつもりでいたが、

ただでさえ、当人が断るのが下手なうえに、
アイドルに、ぜひお願いしますと言われ、
その難しく面倒な仕事を引き受けることになった。

案の定、アイドルに、
マンガの設計図であるネームを描いてくれなんて頼んでも
できるわけがない

マンガを描く力など、簡単に、みにつくわけがないので、

結局は、炎尾 燃が、ストーリーとキャラクターを考えて、
そのアイドルに、ある程度描かせて、背景はアシスタントに
仕上げさせることになった。

そのことで、自分の抱えている連載の原稿が
進まなかったことは言うまでもない。

それでも、そのアイドルに励まされて、
持ち前の熱血マンガ家としての魂と気迫で、
原稿は完成させたのだが

炎尾 燃は、安請け合いで仕事を引き受ける
しかし、どんなにスケジュール的に、せっぱつまった状況でも、
その安請け合いで引き受けた仕事を、こなすことができた。

つまり、安請け合いを、安請け合いで、おわらせないところが
この熱血マンガ家のスゴイところだと思われる。

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