『ドラえもん 友情伝説 ザ・ドラえもんズ 番外編』 その7

2月18日

(7)決戦の火ぶたはきっておとされた

ドラえもん達は、親友テレカで、連絡をとりあってから3日間、
彼らは、彼らなりに、できる範囲で、闘いの準備をすすめた。

ついに、闘いの日がやってきた。

イージーホールのブラジル

王ドラ、ドラメッド3世 
ジャイチェンとスーチェンをはじめとする
ラオチュウの弟子達9人の11人の選手達は、
イージーホールのブラジルで一番大きな競技場の控え室にいた。 

「今から30分後に試合がはじまるわけアルが
あらためて、言わせてほしいアル
この度は、王ドラの親友達を救うという 本来ならば、
貴方達には関係ないことなのに、ご協力いただき、この王ドラと
ドラメッド3世、誠に感謝しておりますアル」
王ドラとドラメッド3世は、深々と頭をさげた。

「いや、まぁ、そんなに、頭を下げないでくれよ
そんなに感謝の念まで、こめて言われると、何というか
てれるというか 気恥ずかしい様な気分になってしまうよ
俺達は、別に、親友を救うというアンタ達の心にうたれたわけじゃないよ」
ラオチュウの弟子の一人が、照れくさそうに言った。

「あの2人、特に、あののび太という奴が、気に入らぬから
今回の試合に、参加しただけだ。」
スーチェンは、妙にまじめな顔で言った。

「のび太くんが気に入らないとは?」
王ドラが、何か言うよりも、早くドラメッド3世が
穏やかにたずねた。

「アイツは、すっかり俺達のアイドルであるシーリンの心を
ひとり占めにして、俺達に見せつけるように、
デレデレしてやがるからだ! 
本来ならば、俺達のカンフーで、しめてやりたいが、
アイツは、中華一番カンフーコンテストで優勝するぐらい強い!
はっきり言って、俺達では、挑んでも返り討ちにあうだけ、
でも何か、むしゃくしゃして暴れてやりてぇと思っていたので、
俺達は、今回の試合に参加したのだ。」
ジャイチェンが、スーチェンの代わりに仏頂面で答えた。

「なるほど、まぁ、それぐらいの蛮勇がなければ、
今回の試合には臨めないからな まぁ、何度も言うようだけど、
あらためて礼を申し上げるよ」
王ドラが、何かを言う前に、再度、ドラメッド3世は頭を下げた。

「とにかく、試合に過度の緊張は禁物だ 試合開始まで
ウーロン茶でも飲んでリラックスしてくれ ワガハイ達は、
ドラえもんに連絡してくる」
ドラメッド3世は、王ドラを連れて控え室をでた。
ドラえもんに連絡する為ではない。

親友の怒りの炎を消す為である。

「全く、気に入らないから、むしゃくしゃして暴れたいから
協力しただと! 全く、この闘いは、憂さ晴らしの場ではないアルヨ!」
案の定、王ドラは、別室で怒っていた。


「王ドラよ 会社の面接じゃないのだから、そんなに怒るな
動機が不純でも、協力してくれたのだ。 感謝しないと」

「しかしだな チーム同士の闘いとは、皆の心をひとつにして
臨まねばならないだろう!」
王ドラは、怒っている

「確かに、お前の言うとおりだ。
しかし、ドラリーニョは、ワガハイ達とスポーツなどする気など
毛頭ない。 そんな相手には、あれぐらいの蛮勇で臨むぐらいが
丁度いいのさ それに、古今東西の戦でも、皆の心をひとつに
できなくても、勝てた例はある」

ドラメッド3世は、王ドラに、その例えを挙げながら、
15分ほどで、王ドラの怒りの炎を消した。

試合開始まで、のこり15分程になった時、
王ドラ達は、競技場のサッカーのフィールドで、
準備運動をはじめた。 ウォーミングアップをはかるためだ。

今回の試合には、観客は誰一人もいない。
いるのは、選手と審判のみだった。
フィールドは、とても静かだった。

それだけに、奴らの足音が、王ドラ達には、よく聞こえた。

(これは、全員、人の足音じゃないアル)

(人の気配が感じられない これはロボットか!?)

(ドラリーニョ やはり、アイツらを投入するのだな)

王ドラ達に緊張がはしる。


「真面目に準備運動ですか スポーツマンらしくて健全だねぇ」
ドラリーニョと
そのチームメイト達があらわれた。

そのチームメイト達とは、全員、
3日前に王ドラ達の前にあらわれた
ドラリーニョの護衛もつとめる強化型プロレス用のロボットだった。

イージーホールのスペイン

ドラえもんは、闘技場の控え室にいた。

控え室には、ドラえもんしかいない。

のび太は、経絡突きの痛みが、3日間で、
多少は、治まり、意識も正常に戻ったが、
やはり、安静にしなければならなかった。

つまり、ドラえもんだけで、
エル・マタドーラに闘いを挑まねばならないのである。

だが、そのことで、ドラえもんに恐怖は微塵もなかった。
ドラえもんの闘志は、3日前よりも、燃え上がっていた。

「ボクを助けてくれたのび太くんだけじゃない
あの人たちのためにも、頑張らねばならない」

ドラえもんは、闘技場に行く前に、のび太の見舞いにいった。

その際、エル・マタドーラの攻撃から助けた中年男の友人達が、
見舞いに来てくれたのである。
彼らは、のび太に重ね重ねお礼を言ってくれた。

また、彼らは、涙ながらに、
3日前のエル・マタドーラの行動の内容を教えてくれた。
エル・マタドーラは、
あの様に、闘牛と称しては、あの様に罪なき弱き者達を
いじめている。 
さらに、ひどいときには、一方的に、無理やり、その者達から
金品などを巻き上げているとのことだった。

ドラえもんは、エル・マタドーラの行いに、
またしても、怒りのボルテージが上昇しそうになったが、
のび太から落ち着いて、頑張ってくれと諭された。

「ありがとう のび太くん  ボクは頑張ってやる! 
エル・マタドーラを必ず救い出してみせる!」

間もなく試合の時間になるので、グラウンドにでる様にと
言われると、ドラえもんは、静かに控え室をでた。

(お医者さんにも言われた通り、あれから3日間、
体を休めることにつとめたので、体調は万全だ。
3日前は、怒りで我を忘れたが、
今度は、冷静に、親友を救ってみせる)

グラウンドにでてみると、
エル・マタドーラが、スタントを従えながら、
既にグラウンドにはいっていた。

(どういうことだろう? あのエル・マタドーラのことだから
ド派手でキザで嫌味たっぷりに登場してくるのかと思っていたが)

「どういう風の吹き回しだ 改心して人々の迷惑になる様な
登場はやめようかなと思ったのか?」

「フッ、馬鹿の一つ覚えの様に、ド派手に登場するだけでは意味がない
ときには、何食わぬ顔で、さらりと挑戦者よりも、
王者が先に登場してあげるのも一興だということさ 
まぁ、それはともかく、どうやらメガネザルは
回復できなかったようだな」


「たとえ、のび太くんがいなくても、
このボクひとりでも、闘ってみせる!」

「フッ、この僕がまじめに闘ってやるのだから、
3日前の様なしらける展開はやめてくれよ」

イージーホールのロシア

ブリザードが吹き荒れる
フローズン・スポットの一番大きな氷塊の上に
ドラニコフは、立っていた。

ただ、立っているだけなのだが、
その姿には、いかなる自然の猛威にもひるまない
野獣の様な力強さがみなぎっていた。

「待たせたな ドラニコフ」

ドラニコフは、声のする方を向いた。
ドラ・ザ・キッドだった。

「格闘ゲームなら、ここで、対決する前に、ちょっとした
やりとりがあるのだろうが、極端な無口なお前に、それを期待するのも
無駄だからな。 速攻で決着をつける!」

ドラ・ザ・キッドの空気砲から空気の砲弾が放たれる

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だが、ドラニコフは、腕を組んだまま、
身を低くする事で、空気の砲弾をかわした。
それと同時に、トラの如き瞬発力で、ドラ・ザ・キッドに
向かって、ダッシュすることで、一気に間合いをつめる。
ドラ・ザ・キッドに突進して、体当たりをくらわせるつもりである。

とっさに横に飛ぶことで、ドラニコフの突進をかわすと同時に、
ドラ・ザ・キッドは、空気の砲弾をはなつ体勢にかまえる。

「くらえー!! 三連空気砲!」
3方向同時に空気の砲弾を放つ
ドラ・ザ・キッドの伝家の宝刀というべき技が
ドラニコフの右斜め後ろから放たれたのである。

ドラニコフからは、死角からの攻撃であるはずなのに、
まるで、野生の猿の様な身のこなしで、
3発の空気の砲弾を次々とドラニコフはかわしていく。

(バ、バカな 奴の野生の勘なら、死角から放っても
一発だけなら、かわされる可能性があるので、
三連空気砲をはなったのに、3発ともあっさりと
かわされた!?)
ドラニコフの身のこなしのレベルの高さに、
一瞬、ドラ・ザ・キッドは呆然とした。

その一瞬が、ドラ・ザ・キッドの反応をおくらせ、
ドラニコフに一気に間合いをつめられた。

獲物にとびかかるトラの様に、
ドラニコフが、ドラ・ザ・キッドに襲い掛かる。

ドラ・ザ・キッドが迎撃しようとするが、間に合わなかった。

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ドラニコフのとび蹴りが、ドラ・ザ・キッドの顔面にヒットしたのである。

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